取るだけ育休とは

取るだけ育休とは

取るだけ育休とは

育休を取得しても家事や育児に参加しない取るだけ育休という問題があります。男性の育休取得に関して、ようやく理解が広がったとはいえ実態としてはどのようになっているでしょうか。

男性の育児参加状況

育休を取った男性のうち育児に十分な時間を割いていないとるだけ育休が3割に上るという調査結果が母親向けの情報発信をしている会社が公表し、育児などへの向き合い方を事前に夫婦で話し合う必要があると呼びかけております。

育児への参加時間

育児休業を取得した夫が1日にどのくらいの時間育児や家事に費やしたか聞いたところ、8時間を超えると答えた人が20%だった一方、2時間以下が32%と3人に2人に上りました。
男性の育児参加時間が短いのが目立つ一方、男性の育児参加に満足している人の回答を分析すると家事や育児の負担の分散ができているかや休む期間が十分かどうかなどが満足度に関わっていることが分かったということです。

とるだけ育休の実態

現状を見てみると、とるだけ育休が既に多く発生していることが窺えます。そして、男性育休取得推進の機運の中、勤務先から取得を勧奨される形で取得する育休が増えるにつれ、このような質の低い育休は増加していくものと考えられます。これでは本末転倒です。

育休の質を高める育休の過ごし方

男性の育児参加で育休を満足行くものとする過ごし方は、量的に担当する、必要なスキルを習得する、精神的に支える、主体的な姿勢で取り組む、休息をとらせる、十分な期間取得する、家族との時間を楽しむという7つの法則を押さえた形で育休を過ごすことで、育休の質が高まります。

自治体の取り組み

育休準備を促すため、より多くの夫婦が接点を持てる自治体や企業等の場を通じた取り組みが求められます。具体的には、母子手帳配布時に自治体窓口から夫婦に情報提供をするような取り組み等があり、また育休を夫婦で考えるための冊子を制作し、自治体窓口での配布に向けて取り組んでいます。

まとめ

男性が育児休業を取得しても、中身を伴わないとるだけ育休にならないよう家事や育児の向き合い方について、事前に夫婦で話し合うことが大切です。ようやく環境も整いつつあるので、有効活用できるようにしましょう。

働き方改革の今後の課題

働き方改革の今後の課題と現状

働き方改革の今後の課題

働き方改革によって解決すべき課題

働き方改革によって今後解決すべき課題として以下のようなことがあります。

長時間労働の是正

日本の時間あたり労働生産性はOECD加盟国35か国中20位、アメリカの約3分の2である。主要先進7か国のなかでは、47年連続の最下位となっています。これは、1日の労働時間の長さもさることながら、日本人が休まないことも起因している可能性があり、欧米では1か月もの長期休暇でしっかりリフレッシュし、生産性高く働くスタイルが一般的なのに対し日本では有休取得日数は10日前後。しかも小分けにして取得している。罪悪感がある、休んでも仕事は減らないというのが理由だそうです。
業務の効率化を計り長時間労働を是正し労働生産性をあげために企業は、業務量の削減と休みやすい雰囲気づくりを両輪で進める必要があります。

正規と非正規の格差是正

正規と非正規の賃金格差は激しく、改善傾向とはいえ非正規の賃金は正社員の6〜7割にとどまっています。主にリーマンショック直後の超氷河期時代に就職し正規雇用されなかった若者、出産・結婚や介護のため働き方を変えざるを得なかった女性、管理職ポジションにつけなかった55歳以上などのシニア層、障がいを持つ方などが、パートやアルバイト、派遣などの非正規として働いているのが現状です。

多様な働き手を理解

均質な人が長時間働く時代から多様な人が多様な場所・時間で働く時代への転換期を迎え用としております。均質な人とは、毎日8時間以上、週5日勤務でき、転勤の辞令にも従うことができる働き手のことを指し。現業この働き方をできなくなると、労働市場価値が一気に減少するのが実情となっています。 育休を取りたいと希望する男性、子どもが生まれても経験やスキルを活かして働きたいと考える女性などさまざまな事情を抱える人も多く、 企業は柔軟な働き方を容認して、多様な人が活躍できるよう、また働くモチベーションの高い人がより活躍できるよう、非正規の待遇改善が必要だとされています。

同一労働同一賃金の問題点

しかし、能力差があると思われる職場で同一労働・同一賃金は判断が難しく、優秀な社員の不平不満が出る可能性があるという問題があります。こういった点も考慮しなくてはなりません。

規制逃れの問題点

従業員を個人事業主とすることで社員への保証を削るなどの労働時間や賃金の規制から逃れようとする動きもありますが、これは個人事業主の形をとった社員として偽装請負という違法行為の可能性に繋がります。このように真っ当でない企業の動向も注視する必要があります。

まとめ

働き方改革を通しておこなうべきことは、ビジョン達成に必要な労働生産性向上であり、労働時間の削減ではありません。労働生産性向上のボトルネックになっている箇所をあぶり出し、取り組みの順番を早急に解決する対策を作りましょう。

時短勤務と働き方改革

時短勤務と働き方改革

時短勤務と働き方改革

小泉環境大臣が、初めて環境大臣という要職に就く議員が育休を取得したことで大きな話題となっていますが、育休以外での制度として時短勤務があります。

時短勤務制度とは

仕事と育児を両立させるうえで使える制度が「時短勤務制度」です。 「短時間勤務制度」略して「時短勤務」は「改正育児・介護休業法」という法律で定められ、すべての会社で「短時間勤務制度」と「所定外時間外労働の免除」が必須義務となっています。

育児短時間勤務の条件

3歳までの子を養育する労働者が、1日の所定労働時間を原則6時間とすることができます。該当条件としては。

  1. 3歳に満たない子を養育する労働者であること
  2. 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
  3. 日々雇用される労働者でないこと
  4. 短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと
  5. 労使協定により適用除外とされた労働者でないこと

原則、子どもが3歳に達するまでが対象ですが、小学校就学の時期まで対象とすることが努力義務とされています。

労使協定による適用除外の労働者

労使協定によって、事業主は以下の労働者を短時間勤務の適用除外者とすることができます。

  1. 継続した雇用期間が1年未満
  2. 週の所定労働日数が2日以下
  3. 業務の性質、または実施体制に照らして制度の適用が困難な業務に就いている

この労使協定は、事業所の過半数組合、過半数組合がなければ過半数代表者と事業主との間で書面による協定を締結する必要があります。 なお、厚生労働省の育児・介護休業法に関する指針では、労使間の工夫などによって適用の対象外とせずに、可能な限り適用の対象とすることが求められています。

短時間勤務の適用除外者への代替措置の設置義務

育児・介護休業法の第23条第2項では、短時間勤務制度を利用できない従業員に対し、短時間勤務に代わる措置を事業主に義務づけています。 代替措置として法律の中に挙げられているのは育児休業等に準じた措置、また、フレックスタイム制や出勤時刻をずらす時差出勤などの制度です。 短時間勤務制度を利用できない人にも、代替措置によって働き方の選択肢を増やすことは従業員の定着率向上にもつながるでしょう。

制度利用に関連した不利益な取扱いの禁止

指針では、育児休業をはじめ、子どもの介護休暇や所定労働時間の短縮措置などの申出や制度を利用した労働者に対する不利益取扱いを禁止しています。 不利益取扱いとみなされるのは、制度の申し出や利用などを理由にその労働者を解雇したり、降格したりすること、労働時間の短縮分を超えて減額を行った場合などです。

時短勤務の活用

周囲の協力でワークライフバランスを維持

時短業務と言っても育児と仕事を両立することは非常に難しいため、周囲の協力は必須となります。希望を明確にし上司と相談し、いつ、どんな形で産休・育休からの復帰を希望しているのか、産休に入る前に一緒に時短勤務についても相談し、周囲の理解と協力を得ることも重要です。

限りある時間で最大の成果を

時短勤務にすることで、延長保育をしなくても保育園の迎えに間に合う、家事・育児に使える時間が増えるなどのメリットがあります。 とはいえ仕事に関しては時間内にしっかり行う必要があります。短時間で、しかも残業ができない中で成果を出していくためには、以前と同じ仕事の やり方では難しいことも。仕事は目の前のものをひたすらこなすのではなく、納期と重要度を確認して優先順位を意識して取り組むことが必要です。 また効率よく仕事を進めることが出来る環境づくりも重要となっていきます。

まとめ

少子高齢化への対策として、働きながら育児ができるように時短勤務制度など浸透は官民を挙げた取り組みが行われております。 しかし、それでもさまざまな理由から、出産、育児中の離職を余儀なくされる方がまだまだ大勢います。制度の整備や動向をしっかりと注視し安心した環境で育児が出来るよう企業は勤めなくてはなりません。

パート・アルバイトの働き方改革の事例

パート・アルバイトの働き方改革の事例

パート・アルバイトの働き方改革の事例

2019年4月より施行された働き方改革関連法。時間外労働の上限規制や有給休暇取得義務化などが話題になっていますが、パートアルバイトにも実は影響があることをご存知でしょうか?
パート・アルバイトの働き方改革の影響などを紹介します。

働き方改革の影響

働き方改革では非正規雇用の待遇面の改善が行なわれることになっています。これはパート・アルバイトも対象となっております。同一労働同一賃金など元々派遣社員などの非正規雇用向けの施策のように報道されていましたが、パート・アルバイトも同じ非正規の枠で保証されます。

同一賃金同一労働

2020年4月から、中小企業は2021年4月から、。パートタイム・有期雇用労働法が施行されます。これは、正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差を禁止する法律です。同じ企業の間で、基本給や賞与を含めたすべての待遇において、同じ能力や同じ貢献度を持つ労働者であれば、正社員とアルバイトの間で同一の賃金を支給すべきと定めています。厚生労働省はこの考え方を同一労働・同一賃金として、ガイドラインを定めています。
同一労働・同一賃金ガイドラインによれば、正社員とパートタイム労働者の賃金決定基準に違いがある場合の根拠として「正社員とパートタイム労働者では将来の役割期待が異なる」という主観的説明では不十分。職務内容や職務内容・配置の変更の範囲が同じ場合は、差別的な扱いをしてはいけないと定めています。賞与についても、会社への貢献度に応じた金額が支給される場合は、正社員とアルバイトが同一の貢献度の場合、同一の賞与を支払わなければなりません。
また、待遇に関する説明義務の強化も盛り込まれています。アルバイトで働く人は、正社員との待遇差の内容や理由について、事業主に対して説明を求めることが可能で、事業主にはその説明義務があり、説明を求めた労働者への不利益な取り扱いも禁止されています。

有給義務化の対象

今までパート・アルバイトに有給がないあっても取りづらいという風潮がありました。 今回の法改正により、年次有給休暇が10日以上の労働者に対し年5日以上の有給休暇を与えないと、企業に罰金が課せられます。
これはパート・アルバイトも対象です。有給休暇付与日数が10日以上という条件を満たせば対象になります。
10日の有給休暇が付与される条件は、半年間継続して雇われ、全労働日の8割以上を出勤している場合。原則として、半年間勤務すれば10日の有休が付与され、取得義務の対象となります。

ただしアルバイトなどで所定労働日数が少ない場合は、付与される有給休暇の日数は、所定労働日数に比例して計算。たとえば、1週間の所定労働日数が4日で、かつ1週間の所定労働時間が30時間未満の場合、10日の有給休暇が付与されるまでの継続勤務年数は、3年6ヵ月。週3日の場合は5年6ヵ月となります。勤務日数に応じて、取得義務化の対象となるまでの勤務期間が異なるので注意が必要です。

働き方改革の事例

ドトールコーヒー

飲食業界の働き手の特徴として、アルバイトやパート社員といった非正規雇用者が多いことが挙げられますが、ドトールコーヒーでは 2017年より、社会保険加入+週30時間以上(3カ月平均)勤務する非正規雇用者を対象に退職金制度を導入しています。

イケアジャパンの事例

大手家具メーカーであるイケアジャパンは、労働者を雇用形態関係なく『コワーカー』と呼び、同じ業務である場合は同じ賃金が適応される制度を導入しています。また同一の福利厚生を適用、労働時間の選択が可能となっております。
雇用区分を廃止し、全社員を同一の身分にしたことにより、 給与水準が大幅にアップしたことにより、税法上の扶養控除がなくなってもそれをカバーできるだけの収入が見込まれることから、より長時間働きたい、新しいことにチャレンジしたいというコワーカーが増加し、 また、地域ごとに異なっていた賃金を全国一律にしたことで、地方への転勤希望がでるなど、働く場所の選択肢の拡大にもつながりました。
有期契約から無期契約に切り替わったことにより、コワーカーの間に安心感や安堵感が広がり、長期でのキャリアやライフプランを考えることができるようになり離職率も低下傾向になりました。

まとめ

働き方改革関連法の成立によって、パート・アルバイト含む非正規社員の働き方改革の実施がより厳しく企業に求められます。早めに準備して労働者の合意も取り付けた上で、適切な制度改正と対応を行いましょう。

男性育休取得の問題点

男性育休取得の問題点

男性育休取得の問題点

小泉環境大臣が、初めて環境大臣という要職に就く議員が育休を取得したことで大きな話題となっていますが、男性の育休取得率はいまだ少数に留まっております。

男性従業員の育児休業の取得率

企業に勤める男性従業員には、育児休業を取得する権利があります。しかし、実際にはあまり取得できておらず、厚生労働省の平成30年度雇用均等基本調査によると、育児休業を取得している割合は、女性が82.2%なのに対して男性は6.16%となっております。
しかし、男性の育児休業取得率は少しずつですが上昇しています。そして企業によっては、男性の育児休業の取得率が大幅に改善しているところもあり、男性の育児休業を促進する活動も少しずつ進められています。

理解が進まない背景

しかし、人員不足や仕事の性質、雰囲気を理由に休業申請ができないという人が多く、また年配上司からなどの理解が追いつかずパタハラなどの嫌がらせに繋がるなど、理解が進んでおりません。

育休が取りづらい原因

職場に迷惑をかける

職場で自分が抜けると他のメンバーに迷惑がかかるため、育休が取りづらいことがあります。抱えている仕事が大きく、責任感のある仕事であればあるほど言い出しにくい風潮があります。

仕事に復帰できるか不安

たとえ育休を取得できたとしても、休み明けに現場に復帰できるのか不安になる人も多いです。 自分が抜けている間は、別のメンバーが業務を担当していたり、新しく人員補充をする可能性があります。そのため自分が仕事復帰したときに、職場に居場所があるのかと心配になるようです。
また、今後の昇進に響くのではないかという懸念もあります。 本来、育休を取得したからといって、企業からの評価が変わるものではありません。しかし、無理やり育休を取ることでチームワークを乱すようなことがあると、評価に関係することがあります。

収入が減少する

育休を取得すると、収入が減少することに不安を感じて、なかなか踏み出せないケースもあります。
子どもが生まれる前から、貯金をしていたり生活費を見直したりと事前にしっかりとした計画を立てていれば、育休による収入面の不安も減ります。 また、育児休業中には育児休業給付金を受給することができます。

男性の育休取得のために企業が行うこと

職場環境の改善

、まずは人員不足で従業員の負担が大きくなっていないか、業務が属人化していないかを確認しましょう。
人員不足という課題に対しては、業務フローを見直し、ITツールを導入する、テレワークにトライするなど業務の効率化に着手します。また、働き方が多様化する現代は、フルタイム雇用でなくても優秀な人材を雇用できる場合があります。新しい人材の採用も視野に入れ、積極的に職場環境の是正に取り組みましょう。 また、業務が属人化している場合は、定期的にジョブローテーションを実施し、情報や技術を共有できる仕組みを作ります。従業員が自分も育児休業を取得できそうだと思える環境にしていくことがポイントです。

育休の周知

育休を取りやすい雰囲気づくりも重要です。まずは上司や管理職、次いで従業員全体への周知に取り組みます。女性の育休に関しては理解があっても男性の育休には抵抗があるケースは多いものです。管理職に対して社内研修を行うなど、徹底した意識改革が必要です。
ちなみに、過去3年以内に育児休業を取得した男性従業員がいない企業については、出生時両立支援助成金が支給されます。これは、男性が育児休業を取得しやすい職場環境づくりや必要な手続きを行い、配偶者の出産後8週間以内に育児休業を連続5日以上取得させた企業に対して支給されるというものです。男性従業員1人あたり57万円、二人目以降は14.25万円となっています。

まとめ

働き方の多様化に伴い、男性の育休取得希望は今後ますます高まりを見せることが予測されます。企業の将来を担う子育て世代が安心して働ける環境づくりは、どの企業もやらなければなりません。男性の育休に関する従業員の意識改革では、従業員の立場に立って、将来を見据えた環境整備に取り組んで行く必要があります。

残業時間の平均とライフワークバランス

残業時間の平均とライフワークバランス

残業時間規制が2019年から

残業時間規制が2019年から始まりました、残業時間の平均と現状はどうなっているのでしょうか?また理想のワークライフバランスとはどのようなものでしょうか

ワーク・ライフ・バランスとは

ワーク・ライフ・バランスとは、働く人がやりがいを感じながら働き、仕事上の責任を果たしつつ、子育てや自治体での活動といった家庭、地域などに使う時間を持てるように、健康で豊かな生活ができるよう、仕事と生活のバランスをよくさせようという働きです。
安定した仕事に就けず経済的に自立できなかったり、逆に仕事のために私生活を犠牲にせざるを得なくなったり、仕事上のストレスから健康を害したりといった問題を抱える人が非常に多く存在します。
仕事をしなければ収入を得られませんが、逆に仕事に時間を取られすぎると健康を害したり、家庭問題の原因となったりします。 これらを両立するために、仕事と生活のバランスを取ることが必要と言われています。

なぜワーク・ライフ・バランスなのか

急速に少子化・高齢化が進む日本では、2007年から団塊世代の大量退職も重なり、働き手が不足しており、退職した社員の仕事は中堅社員を中心に残された社員の肩に重くのしかかり長時間労働に繋がっています。長時間労働はうつ病などのメンタル不調を引き起こすだけでなく、育児・介護などに直面し時間制約を抱える社員のモチベーションダウンや場合によっては離職にも繋がり、人手不足に拍車がかかってしまうのです。そこでこれまでの働き方を見直し、仕事と生活のバランスを取ることによって離職率の軽減と人材の確保につなげる動きが企業で活発化しております。

年々減少傾向?残業時間とワークライフバランス

2018年の残業時間は平均28時間

2018年の残業時間は2014年から5年連続で減少し、調査開始時の2012年から18時間の減少の平均28時間となっておりました。ワークライフバランスの実現は大手企業が率先して行っている他、人材不足が叫ばれる業種に関しても人材確保に向けた健全な労働環境づくりに取り組んでいます。

自主的に残業を減らすように

残業時間が短ければ短いほどワークライフバランスが取れているということになりますが、残業を減らす仕事を自分から心がけるというのも重要です。例えば一日の仕事の目標を立てるやり方です。目標なしに仕事をしていたら、次から次へと仕事が増えていき全然終わらない、などという状況に陥りかねません。出社したら、なるべく残業しない無理のない範囲で、その日のタイムスケジュールを立てます。また別にその日に終わらせる必要のない仕事については無理に残業する必要もありません。支障のない程度に次の日に回しましょう。

計画的な休暇取得

仕事が次から次に発生する業務の場合ワークライフバランスを向上させるには、有給休暇を計画的に取ることも有効です。次から次に発生する仕事を第一優先にしている限り、休める日はいつまでたってもやってきません。でも、あらかじめ休む日を決めておけば、それを見越して仕事を進めることが出来ます。また企業も率先して有給休暇の取得できる環境を作ることによって、チームメンバーの有給取得の予定を共有し合うといった形で連携した形での業務がしやすくなるはずです。

長時間労働の背景

そもそもなぜ日本の職場は長時間労働なのか

日本の職場環境は長時間労働になりがちで、また長時間働いたほうが評価されるという風潮が根強く残っており帰りづらい、みんな残って当たり前という空気があります。また安く高品質というアンバランスな仕事が横行しているため必然的に割に合わない多くの仕事が多い傾向にあります。また報酬のない長時間労働が美徳、自己犠牲を押し付ける文化が横行するなどブラック企業を生み出す温床にもなっているという極端なところもあります。

帰りづらい職場とアンバランスな仕事量

日本企業にはまだまだ帰りづらい職場があります。
「みんなが仕事をしているから」「上司が帰らないから」など、自分の仕事が終わっていても、帰れない雰囲気があります。
このような職場の雰囲気が長時間労働につながっています。
また仕事量が多すぎて定時で終わる仕事量ではなく、残業前提の仕事量となっているため、長時間労働になっています。

長時間労働の削減は喫緊の課題

ワーク・ライフ・バランスの推進など、働き方を見直す動きが急務になっています。 長時間労働を原因とする過労死・過労自殺、とりわけメンタルヘルス不全等による労災請求はリーマンショック以降急増。 サービス残業(賃金不払残業)に対する労働基準監督署からの是正勧告も後を絶ちません。 そんな中電通の過労死事件が起こり、働き方改革法案が成立2019年4月から「罰則付き」で時間外労働時間の上限設定がなされることとなりました。

残業発生の原因の対処

長時間労働を削減するためには、労働時間に直接関係する法令上、制度面の対策だけではなく、社員一人ひとりの仕事や意識の見直し、組織体質の改善にまで踏み込み、進めていくことが必要です。

残業

残業の傾向

単純に仕事が終わっていない、無理に拘束されているとかそのような状況でなければ極端な残業は発生しないはずです。しかしなぜか社員が自主的に残業してしまって残業を減らせないということも多くあります。残業が発生する傾向としてはこのようなものがあります。

生活残業

生活費に残業代を充てているので、たいして仕事もないのに残業したがるというものです。以前から残業代を稼ぐためにわざと残業をするケースはありましたが、リーマンショック以降に低賃金による生活苦などで急増しました。

付き合い残業

上司が残業していると帰りづらいので、帰るまでつい会社に残ってしまうというもの、これは上司から早く帰るように促しましょう。付き合ってもいいことはありません。

無計画残業

締め切り前に遅くまで残業するのが当たり前になってしまっている状況に陥ってしまっているというもの、計画をしっかり立てチームでバランスよく分担して業務を行うなどの連携が重要になります。

残業対策

一人ひとりが意識することも重要

働き方改革に基づいた業務の改善を定着させるためには、一人ひとりが働き方改革に基づいた働き方を行い、企業に浸透させる必要があります。 例えば、課題管理ツールを用いて自分の業務スケジュールを立てさせ、どのように業務をこなせば効率よく業務を行えるかなどを考えさせる事により、効果的に効率的な働き方を浸透させる事が出来ます。 ツールを用いて情報の共有、スケジュール管理を行う事によって今まで無駄だった業務を削減する事にもつながり、また従業員が働き方改革に参加しているという自覚を持たせる事によって、企業、従業員共に効果を実感しながら行う事ができます。

休憩時間の確保

休憩は疲れた体と心をリフレッシュさせ、仕事の効率をアップさせるためにも非常に有効です。休まずやるよりも休んで集中してやったほうが結果として生産性が向上します。仕事の効率の向上は、長時間労働の削減にもつながります。また8時間以上の労働の場合1時間の休憩を入れることが労働基準法で義務付けられています。

定時で帰る

その日のうちに終わらせなければならないなど余程切迫しているような状況でなければ周りを気にせず帰ってしまうというのが一番シンプルな対策ともいえます。誰かが定時帰ることによって早く帰る風習ができる可能性もあります。

まとめ

働き方改革によって残業時間は短くなる傾向にありますが、残業対策や残業の起こらない職場環境づくりなど今後継続的に行なっていく必要があります。

サテライトオフィスの活用

サテライトオフィスの活用

サテライトオフィスの活用

地方創生と働き方改革の取り組みでテレワークと一緒に注目を集めているサテライトオフィス。働き方改革がさまざまな企業で取り組まれているなか、サテライトオフィスはテレワークを支える新しいオフィスのあり方として注目を集めています。

サテライトオフィスが注目を集める背景

サテライトオフィスが注目を集める背景には働き方改革や地方創生、ICTの活用などさまざまな理由があります。

地方創生・地域活性化

地方にサテライトオフィスを開設することで地方創生を図る動きもあります。人口や企業活動において東京への一極集中が続いているなか、地方にサテライトオフィスを開設することで、地方に人や情報の流れをつくることができます。これにより地方にいる優秀な人材の確保といった新たな雇用を生み出すことにつながります。

ICTの活用

近年のICTの発達により、これまでのように、ひとつの場所に集まって仕事をする働き方ではなく、さまざまな場所で自由に働くあり方が可能になっています。こうした技術を導入することで、サテライトオフィスでもスムーズに仕事を進めることができるようになり、サテライトオフィス開設を支える動きにつながっています。

サテライトオフィスと支社の違い

サテライトオフィスと似たようなオフィスのあり方として、支店や支社があります。一般的に支店や支社は、業務全般を扱うことのできる設備を整えている場合が多いです。一方でサテライトオフィスは、必要最低限の設備のみにとどめ、より小規模なオフィスを指すことが多いです。そのため、レンタルオフィスなどの施設をサテライトオフィスとして利用することもあります。

サテライトオフィス導入の注意点

数多くのメリットもあるサテライトオフィスの導入。しかし、サテライトオフィスの導入には注意点もあります。 同じオフィスで業務するわけではないため、労働時間をはじめとした労務管理や業務中の勤務態度など把握しづらくなります。
さらに物理的な距離ができることでコミュニケーションも取りづらくなる可能性があります。メッセンジャーツールやテレビ会議システムなどを有効活用して、コミュニケーションロスを埋める工夫が求められますが、これらのツールを導入するコストなども同時に発生します。

まとめ

サテライトオフィスの導入は働き方改革の対応だけでなく、地方創生や地方の労働力の確保、業務の効率化、生産性の向上などさまざまな効果が期待されています。目的に応じたサテライトオフィスを導入することで、効果的な業務改善を行ってみてはいかがでしょうか。

働き方改革と地方創生の事例

働き方改革と地方創生の事例

働き方改革と地方創生の事例

地方の人口減少と東京一極集中の解消を目的に2014年から始まった地方創生。一部では効果や施策が疑問視されていますが、地方創生により成功を収めている事例も多数あります。

ITの有効活用、サテライトオフィスの設置

地方でも都市部と同じような仕事ができるよう、IT技術などを用いた取り組み、サテライトオフィスの設置が進んでおります。 サテライトオフィスとは、組織の本拠地から離れた場所に設置する小規模のオフィスのこと。サテライトとはもともと衛星という意味で、本拠地から衛星のように設置されることから名付けられたとされています。働き方改革がさまざまな企業で取り組まれているなか、サテライトオフィスはテレワークを支える新しいオフィスのあり方として注目を集めています。

徳島県神山町の事例

高速ブロードバンド環境を実現し、さらにオフィス開設や運営費用への補助などの支援を生かし、山間地域などの過疎地にサテライトオフィスを整備しました。40社の企業を徳島県へ誘致し、移住者の増加にも成功しました。
地元のNPO法人が自治体を巻き込みながら課題を克服したことや空港から近く災害に強い地域であること、また、近隣にICT教育に力を入れている大学があることなどをアピールし、60名以上の地元雇用を創出し、地方における安定雇用につなげました。

群馬県高崎市の事例

東京から高崎市への労働力の移転を図るという目的に特化しています。 具体的な取り組みとしては、出産・子育て、介護などを高崎市がテレワークを通じて支援するという目的のため、テレワーカーにとって利便性の高いサテライトオフィスやテレワークセンターを整備したという点が挙げられます。
また、ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業においては、常時接続のタブレットを導入することによるテレワーカーの孤立軽減策や、都市部中小企業へのテレワークを利用したサテライトオフィス設立支援などを実施し、2015年の時点で33名の労働力移転を実現しました。

サテライトオフィスのメリット

サテライトオフィスの導入によって、さまざまな効果が期待されています。

通勤・移動のコストの削減

サテライトオフィスの大きなメリットのひとつに移動にかかるコストを減らすことがあります。営業先の拠点や従業員の住居と近い場所にオフィスを設置することで、営業先とオフィス、オフィスと住居の移動を最小限にすることができ、通勤時間や通勤費を減らすことができます。移動が減ることで従業員のストレスを減らし、生産性の向上につながることも期待されます。

地方にいる優秀な人材の獲得

地方にサテライトオフィスを設置することで、それまで都市部では働けなかった、地方にいる優秀な人材を新たに確保することができます。

まとめ

サテライトオフィスを用いたテレワークの事例を紹介しましたが、最大のメリットは地元にいながら東京の企業に勤めたり、生活環境を第一に考えて移住したとしても今の会社を辞めることなく生活したりということが可能になり、地方の優秀な人材獲得に繋がるという所です。このメリットを最大限に活かすことにより、企業の発展と地域への貢献に繋がる可能性があります。推進制度も自治体によってはあるため活用を考えてみるのもいいかも知れません

働き方改革と地方創生の課題

働き方改革と地方創生の課題

働き方改革と地方創生

働き方改革と連動した地方創生が話題となっております。その背景とは一体なんでしょうか。

地方の抱える問題点

地方経済の縮小による事業倒産

労働力人口が減少の一途をたどれば、人手不足による倒産、あるいは後継者不足による廃業のリスクが高まります。 2019年1〜4月までの人手不足や後継者不足を原因とした倒産の累計は119件であり、過去最高の2018年を上回るペースで推移しています。好景気であっても事業の存続が難しい状況にすでになりつつあると言えます。

 

社会の安全を支える仕組みの維持が困難に

2019年6月に大阪府の救命救急センターが医師の人件費を集めるためにクラウドファンディングを始めることがニュースになりました。人手不足は企業の末端労働者だけではなく、医師、看護師、自衛官など人の命を支える職種、災害時に人を救助する職種にも起きてきます。
  また、若い人材が減少することで社会保障制度においての負担と受益のバランスが崩れます。高齢化により介護費用・医療費用が増大するにもかかわらず若者世代は少なくなるため、これまでの仕組みは維持することが難しくなると言えます。社会の安心、安全を支える仕組みがゆらいでしまうのです。

無居住地点の増加 

                             

地方から首都圏への人材移動によってもたらされる課題もあります。 国土交通省は、2050年において、人口が2010年時点の半分以下になる地点が現在の6割以上と予測しました。また同時に、2割の地点が無居住化するとも指摘しています。
人口減少に伴う労働人材不足の対策として一部自治体ではテレワークの導入の検討が進んでいます。 特定の場所への出社・退社や、月に20日間の物理的拘束を伴わないワークスタイルのため、下記のような潜在的労働人材の採用に大いに貢献します。

  • 遠方に住んでいる人
  • 家事や介護などの理由で外出が困難な人
  • 車椅子使用などで物理的な移動が困難な人
  • 面と向かってのコミュニケーションを苦手とする人

特に地方の人口を増加させるためには、出生率を上げる取組や地方へ人材が移住する流れを作ることも大事ですが、地方でも都心と変わらないビジネスが行える環境を整えることが重要です。

まとめ

人口減少による人手不足は、今後ますます深刻化していくでしょう。 人の移動や働き方の多様化といった要素もあり地方では深刻な状態が続くと思われます。 地方創生の動きから制度も整ってきているので状況を注視しつつ有効活用できるよう検討しましょう。

働き方改革と地方創生

働き方改革と地方創生

働き方改革と地方創生

働き方改革と連動した地方創生が話題となっております。その背景とは一体なんでしょうか。

都心への人口流失に歯止

地方創生の動きの活発化の要員として地方の過疎化が深刻化して色事が挙げられます。

深刻な地方の過疎化

以前から都市部への流出はありましたが、少子高齢化や地域格差により深刻化、また地方だと職が少ないという問題がありました。そこでテレワークなどを用いて都市部の仕事を地方でも行えるようにすることで人口流出を防いだり、地域の活性化に繋げるということで働き方改革の取り組みに地方創生が含まれております。

取り組み

ふるさとテレワーク

ICTを活用し、地方でも都市部と同じように働ける環境を実現することを目的にした制度です。ふるさと テレワークを導入する地方自治体等に対して環境整備に必要な経費の補助等を実施しております。
ふるさとテレワークの推進により、都市部から地方への人や仕事の流れを創出し、地方創生の実現に貢献するとともに、地方における時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方を促進し、働き方改革の実現にも貢献します。

おためしサテライトオフィス

サテライトオフィスとは、企業または団体の本拠から離れた所に設置されたオフィスのことです。本拠を中心としてみた時に衛星のように存在するオフィスとの意から命名されました。
おためしサテライトオフィスでは、サテライトオフィス開設を検討するにあたり、 お試し勤務を実施する企業を募集、調査を行いサテライトオフィスの開設・誘致に向けた具体的な取組を行い、都市から地方への新たな人の流れや、 地元企業・人材と連携したビジネスの創出に結びつけることを目的としています。

まとめ

かつて町おこしなど地域振興策が模索されていた時代がありました。祭りのようなイベントで集客する取り組みや、温泉事業など、観光資源の掘り起こしなどが行われ、短期的には効果を上げた取り組みが多くありました。
しかしながら継続した地域経済の活性化を図ることを考える場合、企業の誘致まで行わないと中々実現が困難だったのですが、この施策の成功は地域の経済規模や立地に依存する部分も多くハードルの高いものでした。しかし、テレワークなどを用いた遠隔地でも東京のオフィスと同様の業務がこなせるとすれば、働き手は場所に縛られず働くことができます。