実はブラック?公務員の実態と働き方改革
目次
一般的なイメージと実際の公務員
一般的に公務員は安定した職というイメージがあります。しかし実際はそうでもないというのが現状です。現に各省庁の官僚の残業問題や災害時の対応で長時間の対応を強いられるケースなどがあります。
また公務員の給料が税金から出ているためか、公務員は何かと批判の対象になることが多く、上司よりも市民に心ない言葉を浴びせられたり、嫌がらせをされたりという事が非常に多く、ホワイトな業種と言うにはかなり疑問が出てきます。
労働基準法は公務員には適用されない
労働基準法・労働安全衛生法の適用対象者は職業の種類を問わず、事業または事務所に使用され、賃金を支払われる者とされていますが、一部適用を除外されている人たちがいます。それは、公務員や船員などです。しかし、適用除外とされた公務員はまったく労働法制がないのかというとそうではありません。労働基準法は適用されませんが、公務員は国家公務員法、地方公務員法などによって別に定められています。
公務員のブラック要素
公務員は結果を出すことをあまり求められませんが、国の運営に関わる業務が多く、特に警察、消防、自衛隊は有事にすぐ対応できるようにしなければならない等厳しい面があります。また給与等は税金から出ている関係上必然的に風当たりがきつくなりやすくバッシングを受けやすい性質があります。
職種によって残業が多い
公務員は定時に帰れるイメージですが、これは部署や職種によります。定時で業務を終えることができるところもありますが、残業を多くしているところもあります。 総務省の地方公務員の時間外勤務に関する実態調査によると、平成27年度の残業時間は平均で月13.2時間、年間158.4時間となっており、国家公務員は月19.4時間、年間233時間の残業を強いられてます。 民間企業の時間外勤務は年154時間ですので、公務員は民間企業よりも多く残業しているという結果となっています。また災害時は災害の対応も行わなくてはなりません。
サービス残業の横行
公務員の現場ではこのサービス残業も横行しているのが現状です。公務員の残業代というのは、あらかじめ年間予算として組まれています。残業代として支払える上限金額が決まってしまっているため、予算を使い果たしてしまった場合、残業代を支払うことができなくなるのです。
上司のいうことは絶対
地方公務員法や国家公務員法の条文の一部には、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないと記載されており、上長の権限がかなり強くなっています。国からの指示に反発するような行動が出てしまっては混乱が生まれてしまい統制が取れなくなってしまいます。このようにすることでトップダウン式の指示系統により業務をスムーズに遂行することを目的としています。しかしこれが現場でのパワハラが誘発する原因と指摘する声も多いです。
年功序列はパワハラの原因に
民間企業にも言えることですが年功序列の風潮が漂う職場では、権力が一部の人に集中してしまいます。権力を利用してパワハラやセクハラなどの問題が頻発しているのが現状です。 年功序列型は、下から上に意見が言える環境が整っていないことに加え、もし逆らった態度を見せては、上司から反感を買い出世から外されてしまいます。そういった背景から、若手は上司に反論などができないため、それがパワハラの温床につながっています。
世間の評価が厳しい
公務員の給与は国民の税金から支払われています。 公務員は自分たちの働いた金で生活をしていると感じている人も少なくないため、必然的に風当たりがきつくなりやすくバッシングを受けやすい性質があります。実際に公務員は福利厚生や有休などの待遇が良いこともあり、何かと槍玉に挙げられます。また何か不祥事が起きたときはニュースになり国民全体から叩かれることになり、公務員をバッシングする今の風潮は現場の人にとってまさにブラックと言えるでしょう。
非常時の出勤
公務員はいわば国民のために働く職種です。地震や台風などの災害が発生した場合など様々なトラブルに対処する必要があり、有事の際は休日であっても関係なく働くことが求められます。自衛官や消防士などが対応に追われるイメージはあるでしょうが、河川が氾濫したり道路が壊滅したりした際には、国土交通省の職員や土木局など、災害時の窓口対応など職員が対応することになります。
官僚は激務
官僚の勤務時間は国家公務員法で定められており、始業時間は各省庁の長が職員が勤務する部局または機関職員の勤務時間帯などを考慮して1日7時間45分になるように定めています。しかし実際には100時間を超える残業が恒常化しているのが現状 です。特に国会中は議員の答弁の作成や資料を作成したりとさまざまな依頼が集中します。特に議員から突発的な依頼が発生することもあり業務が長時間化しやすくなってしまっています。
公務員の働き方改革
このような状況の中特に官僚の残業時間の問題は深刻でこのままでは大量離職に繋がり国の運営が成り立たなくなってしまう危険性があったため政府は霞が関働き方改革推進チームを策定し、対策に乗り出しています。またその他国家公務員、地方公務員もフレックスタイム制の導入、一部業務のテレワーク化など対策を進めております。
まとめ
昨今公務員叩きの記事や話題が多く、世間と実態の乖離が大きいのが現状です。しかし、公務員がいなければ世の中を運営していくことができないですし、行政が働き方改革を率先して行うことにより行政サービスなどが効率化するなどの効果があります。公務員を叩くだけではなく、実際の公務員がブラックな環境で働くことのないように、模索していくことが重要となります。