2020/01/20

男性育休取得の課題

男性育休取得の課題

男性育休取得の課題

小泉環境大臣が、初めて環境大臣という要職に就く議員が育休を取得したことで大きな話題となっていますが、男性の育休取得率はいまだ少数に留まっております。

男性従業員の育児休業の取得率

企業に勤める男性従業員には、育児休業を取得する権利があります。しかし、実際にはあまり取得できておらず、厚生労働省の平成30年度雇用均等基本調査によると、育児休業を取得している割合は、女性が82.2%なのに対して男性は6.16%となっております。
しかし、男性の育児休業取得率は少しずつですが上昇しています。そして企業によっては、男性の育児休業の取得率が大幅に改善しているところもあり、男性の育児休業を促進する活動も少しずつ進められています。

育休が取りづらい原因

職場に迷惑をかける

職場で自分が抜けると他のメンバーに迷惑がかかるため、育休が取りづらいことがあります。抱えている仕事が大きく、責任感のある仕事であればあるほど言い出しにくい風潮があります。

仕事に復帰できるか不安

たとえ育休を取得できたとしても、休み明けに現場に復帰できるのか不安になる人も多いです。 自分が抜けている間は、別のメンバーが業務を担当していたり、新しく人員補充をする可能性があります。そのため自分が仕事復帰したときに、職場に居場所があるのかと心配になるようです。
また、今後の昇進に響くのではないかという懸念もあります。 本来、育休を取得したからといって、企業からの評価が変わるものではありません。しかし、無理やり育休を取ることでチームワークを乱すようなことがあると、評価に関係することがあります。

収入が減少する

育休を取得すると、収入が減少することに不安を感じて、なかなか踏み出せないケースもあります。
子どもが生まれる前から、貯金をしていたり生活費を見直したりと事前にしっかりとした計画を立てていれば、育休による収入面の不安も減ります。 また、育児休業中には育児休業給付金を受給することができます。

男性に育休を取得してもらうメリット

男性に育休を取得してもらうことで、企業のイメージアップにつながります。育休を取得している男性の割合は少なく、そんな中、男性も育休が取れる企業は世間的にも好感がもてますし、社内で働いている従業員にも育休を取得できることが分かれば今後の不安を軽減させることが可能です。

男性が育休を取得しやすくするためには

男性が育休を取得しやすくするためには、企業側からアプローチをかける必要があります。 まずは男性の育休取得について社内で周知する機会を設けましょう。育休という名前自体は知っている従業員が多くても、その実態について理解している従業員は少ないです。 育休を取得しようと思っていても、給料の減少や職場の人間関係などを気にして、なかなか取得に踏み切れない男性もいるでしょう。 そういった男性従業員のために、育休の取得から職場に復帰する流れについて説明する場を設けます。また育休時の給料、または給付金や復帰後の待遇など、特に不安に思っている部分の説明も重要です。

復帰した男性従業員への対応

復帰前と復帰後では、社内の環境の変化や本人のブランクにより状況が変わっており、育休から復帰した男性従業員と企業側の意識のずれに気を付ける必要があります。 例えば、復帰した男性従業員が以前と同じような業務を求めているにも関わらず、企業側がブランクを考慮してあまり仕事を与えないといった意識のずれです。しかし、企業側からすると以前のように働けるか不安な部分もあり、以前とは状況が違えば仕事を振りにくい場合もあるでしょう。 逆に、復帰後も育児などで残業が難しい男性従業員に対して、企業側は時間外労働も含めて以前のように働いて欲しいと思っているケースも見受けられますが、育休明けの従業員には無理なく育児と仕事を両立するための権利があるため、無理をいって時間外労働をさせないように注意しましょう。

助成金制度

育児休業の取得率アップのため、厚生労働省は企業に対してさまざまな助成金制度を用意しています。

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)

男性労働者が連続した育児休業を中小企業なら5日以上、中小企業以外は14日以上取得した際に受け取ることができる助成金です。また、子どもの出生後8週間以内に育児休業を開始する必要があります。 1人目の支給額は、中小企業が57万円、中小企業以外が28.5万円です。2人目以降は、休業取得日数に応じて支給額が変わります。

まとめ

子どもが生まれてまもない時期はもちろん、第一子誕生では手探り状態、第二子以降も第一子たちのケアと新生児のお世話で並行して行うため育休とはいえ休んではいられないのが母親です。さらには保活に復職準備と、育休中の母親の負担は心身ともに大変重いものです。
男性が育児休暇を取得すると出世の道が絶たれる、社内で上層部から嫌がらせを受ける、そもそも育休を取りたいなどと言い出せる雰囲気ではない…。企業によってはさまざまな困難が待ち受けているのも事実ですが、そのような風潮は改めなくてはなりません。

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