働き方改革と人材活用
目次
多様なワーク・ライフ・バランスの実現
働き方改革は、労働者の就業機会の拡大や、働く意欲や能力を存分に発揮できる仕事環境の整備を早急に行い、労働者それぞれの事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現し、国民一人ひとりがよりよい将来展望を持てることを目的として行われております。特に女性やシニアの労働参加を推進して新たな労働力を生み出すと同時に、労働者の多様なワーク・ライフ・バランスの実現を目指す事により、人材不足の解決と生産性向上を図ります。
働き方の柔軟化と組織の多様化で生産性が向上?
組織の多様化の施策群で導入率が5割を超えるのは「障害者雇用の促進」「管理職や重要ポジションへの女性の登用促進、活躍支援」「女性を対象としたキャリア研修、産・育休復職時研修の実施など」「退職・転職した人材の出戻り採用」のみです。
今後の導入施策として注目されているのは、「正規・非正規雇用従業員の間の処遇格差の是正」「介護と仕事の両立に関する教育」「在宅勤務やリモートワーク」などです。
長時間労働を抑制しつつ生産性を高めていくためには、働く場所や時間を柔軟に選択できる環境や制度を同時に整えていくことが有効なようです。
来るべき人手不足への備えと解決策
女性・若者が活躍しやすい環境整備
労働力人口の減少に対応するため、就職氷河期世代、子育て等で離職した女性、高校中退者やひきこもりの若者など多くの人が働ける環境を作り、様々な人に働いてもらう為の環境整備が進んでおります。このようにこれまで様々な事情から就職が難しかった人の就職支援・キャリアアップ支援を行うことにより、女性・若者が幅広く活躍しやすい環境作りが進んで行われております。
若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対応策の強化
職業安定法を改正し、ハローワークや職業紹介事業者の全ての求人を対象に、労働関係法令違反を繰り返す求人者の求人を受理しないことを可能とし、また、求人情報の提供を行う事業者に対し、実際の労働条件と異なる求人情報を出させないようにするなど、必要に応じて指導等を実施できるように現在法整備が進んでおります。
学生・生徒に対する労働関係法令や相談・通報窓口等を用意するなど、各方面でブラック企業淘汰を行う流れとなっております。
高校中退者等に対する自立支援
図書館等を活用して高校中退者等の高卒資格取得の学習相談・支援が検討されています。また、教育委員会や学校、地域若者サポートステーション等の連携を強化し、就労・自立に向けた切れ目ない支援体制を構築することで、若者の支援が検討されています。
学びなおし支援
個人の事情により一度離職した女性の再就職・職場復帰や、新卒時に正社員として就職できなかった就職氷河期世代の非正規雇用問題、就職・キャリアアップに不利な立場にあると言われる高校中退者等に対して学び直し支援を行うために政府は、誰でもいつでも教育の機会があり、知識や技術を身につけていつでも再スタートできる環境整備を行うとしています。
自分の状況に合った多様な働き方をしていくためには、年齢に関係なく自らのキャリアアップ・スキルアップのために学び直せる環境が必要と言う考えの他にも、長期間職に就いた事がない、子育て期間からの復帰に長期間かかったなどで再就職を行う際スキル、知識等で不利に働く為、そういった方々の為にこのような支援を行う事が検討されています。
リカレント教育とは
義務教育や高校・大学などのフォーマルな学校教育を終え、一度社会に出たものがスキルアップや再就職など個人の必要に応じて教育機関に戻るといった学校教育と社会教育を循環的に繰り返す教育システムをさします。
政府は、雇用保険を改正し、専門教育講座の受講支援などの施行を目指すそうです。
内容として、雇用保険の専門実践教育訓練給付金の支給額は、受講経費(入学料+受講料)に対し
- ・給付率:6割→7割
- ・上限額:年間48万円→56万円
- ・給付を受けられる期間:子育てによる離職後4年まで→10年まで
(離職後一ヶ月以内に必要とされていた需給期間の延長手続き制度の廃止)
就職氷河期世代や若者の活躍に向けた支援
長い間の不況により、氷河期世代に当たる管理職や社員が大きく抜けており、その人材確保が急務となっております。
就職氷河期世代の正社員化推進、就職・キャリアアップに不利な立場にあると言われる高校中退者等に対する高卒資格取得に向けた学習相談・支援など、若者の活躍に向けた支援・環境整備が検討されています。
就職氷河期世代への支援
就職氷河期に就職時期を迎え、現在もフリーター等として離転職を繰り返す人の正社員化に向けて、短期・集中セミナーの実施、わかものハローワークにおける就職支援、事業主への助成措置の創設など、個々の対象者に応じた集中的な支援を行います。
また、雇用保険法を改正し、倒産・解雇等により離職した若者に対する基本手当の所定給付日数を引き上げが検討されています。
まとめ
働き方の多様化はこれまで就業の機会がなかった人たちにとっては考え方によっては大きな機会なのかもしれません。誰でも働けるような環境を作ることによって、人が集まることによって企業にとってもメリットになると思われます。