働き方改革と副業の実例
働き方改革と副業の実例
これまでは副業・兼業をすることで、情報漏洩のリスクや疲労・睡眠不足等で本業がおろそかになる、競業・利益相反になるとして禁止している企業がほとんどでした。 しかし、働き方改革法のなかで副業・兼業が推進され、これからの企業は副業・兼業への考え方を改めていく必要があります。
副業を解禁した企業事例
サイボウズ株式会社
2012年から副業は自立の一歩につながり、事業主としての考え方を勉強できるとして代表が推進しているとして開始しました。副業の条件などは、会社の資産を毀損することは行わないなど、基本的な禁止事項は設けているものの、基本的には自己責任でほとんどの副業が可能となっております。 業務や会社資産と無関係であれば、上司への報告・承認の義務はありません。
ロート製薬株式会社
2016年から勤続3年以上でかつ、国内勤務の正社員であることを条件に開始しました。希望している副業の内容は、上司ではなく直接人事部に申告し、人事部の面談を経てOKが出れば始めることができます。競合他社のメリットになるような仕事でない限り、厳密な審査はしないとのことです。
コニカミノルタ株式会社
2016年から実施内容:会社名、勤務日数/時間、業務詳細内容、雇用形態等、取り組もうと思った動機、副業を通して、会社にどのような貢献ができるかを人事部長宛てに申請し、特に、会社への貢献度やその内容を重視し、イノベーションの起点になり得るかどうかを条件に開始しました。 副業を通しイノベーションを創出することによって会社にメリットをもたらす事を期待されています。
副業を許可した従業員の管理と把握
また、企業側は、従業員が副業・兼業をする場合、以下の理由により就業時間の把握と健康管理もしなければなりません。
就業時間の把握について
労働基準法第38条では、労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算すると規定されています。
つまり、労働基準法で定められた労働時間に関する規定では、副業・兼業先で就業している時間と本業での就業時間を合算しなければなりません。
そのため、従業員から申告により、副業・兼業先での就業時間を把握する必要があります。
健康管理について
副業・兼業を行う従業員の長時間労働による健康阻害を防止する観点から、自社と副業・兼業先の企業で時間外労働(残業)や休日労働の抑制・免除する等の配慮が必要になります。
さらに、従業員の健康状況を把握するために、定期健康診断のほかに産業医との面談もすべきです。
まとめ
副業は企業側にとって、優秀な人材の確保や従業員のスキルアップ、仕事の質の向上や従業員のモチベーションアップ等のメリットがあります。 しかし、副業を認めていくにあたって、企業側が対応していかなければならないことは多々あります。企業と従業員がお互いにwin-winな関係になれるよう制度の整備が重要となります。