働き方改革の現状と問題点
働き方改革の現状と問題点
働き方改革において生産性向上ばかりを求められ現場が混乱したという方も多いのではないでしょうか。 職場環境や成果は急に変えられるわけではなく、背景と課題を理解し職場環境を改善することで、効果が現れます。 働き方改革を実行できない、効果が現れない会社の問題点を紹介します。
なぜ現場が混乱
働き方改革で問題視されたのが、企業による急な働き方改革の施策による対応ができず現場が混乱する、逆に負担が増大してしまう事例です。
効率化と生産性を目指すはずが間違った施策により逆に負担が増大してしまうことで働き方改革に不満を持つ人が少なくありません。
目的や目標、現場の状況などを把握せずに行うことで逆効果となってしまいます。
安易な施策が逆効果に
残業時間の削減を行う際に単純に残業の禁止を行なったり、効率化のために行なった施策やツールが実際の現場にそぐわなかったりと様々な要因があります。共通しているのが、その場しのぎの対処療法として施策を行なったり、現場の状況を把握できず、とりあえず導入して失敗しているという点です。働き方改革に関しては現場従業員とのヒアリングや長期的な視点での計画を立て行うことでこのような事を防ぐことができます。
管理職にしわ寄せ
従業員の状況把握の負担が増大してしまうケースが多々あります。労働者一人ひとりの能力を把握し、管理していくことは難しいでしょう。 どんなに生産性向上を目指そうと心掛けていても、管理する側に向けてのフォローもなく働き方改革に取り組めない現状があります。
働き方改革なぜうまくいかない
働き方改革は私たちの生活の質を向上させることにもつながるため、本来ならば両手をあげて歓迎すべきもののはず。しかし、実際にふたを開けてみると、その改革は思うように進んでいないという現実があります。その原因は企業や労働者の状況によって異なるため一概にいうことはできませんが、大まかに以下の2つに集約されると考えられています。
意識不足
労働の質を向上させることのメリットは、最近でこそ注目されるようになってきたものの、働き方改革で経営的なメリットがあるのかと疑問を抱いている人も少なくありません。労働環境の見直しをコンプライアンスとして掲げているような大企業はともかく、中小企業の中には従業員の長時間労働によってなんとか業務をこなしているという企業も少なからずあり、単純に労働の質を向上させようといったところで現実的にそこまで手が回らないといったケースもあります。
また、経営者だけでなく社員側にまわりが残業をしているから帰りにくい、残業してでも仕事を最優先するべきといった意識があり、こうした無言の圧力が労働環境改善の妨げとなっている場合もあります。
評価の仕組み
経営者や社員の意識に加えて、人事評価の仕組みが追いついていないというのも問題のひとつで、日本の企業の中には労働の質より量を評価する意識も少なくなく、それによって人事評価が行われている現状もあります。仕事をしっかりとこなして毎日定時で帰っていても、必ずしも効率的な働き方が評価されるわけではなく、逆に毎日残業をして仕事をこなす人のほうが受け取る給料が高くなることがあるようでは、労働者側も働く意欲を失ってしまいます。
まとめ
働き方改革が進まない現状には前項で述べたような課題があることをしっかりと意識し、その課題をクリアできるような社内体制、人事評価の仕組みを構築することが必要です。トップが自ら仕事の量よりも質を重視することを表明したり、効率的な働き方が評価につながるような仕組みを整え、 また、こうした仕組みは一度構築しただけで満足するのではなく、仕組みが機能しているかを定期的にチェックし、改善していく必要があります。働き方改革は、経営者や社員の働き方に対する意識を変える改革でもあるため、新しい考え方が浸透するには時間がかかります。実際に改革が進んでいるかをチェックし、意識や考え方にズレが生じることのないような体制を作っていくことが重要です。