高齢者活用のデメリット
在職老齢年金制度
年収によっては老齢厚生年金の支給額が減額されることがあります。厚生年金の被保険者が老齢厚生年金の支給を受ける場合、総報酬月額相当額と年金の月額に応じて年金の一部または全部が支給停止されるという内容です。 総報酬月額相当額とは年金の受給権が発生した月以後の月収に、その月以前1年間における年間賞与を12カ月で割った額を足した金額です。 特別支給の老齢厚生年金が受けられる60歳~64歳の場合、この総報酬月額相当額と年金月額の合計が28万円以下であれば年金は減額されません。
高齢者活用のデメリット
待遇
高齢者の場合、体力や健康状態の問題が就業のネックにならないか、肉体的に負担の少ない仕事に配置することや、加齢に伴う労災事故(転倒や墜落、転落など)の発生に注意する必要があります。 60歳以降の継続雇用で再雇用後の賃金低下が就業意欲を失わせているという議論や、定年前と同じ業務であるにも関わらず、再雇用後に有期雇用契約の嘱託社員のトラック運転手が不当にさげられたのは、おかしいと会社を訴えたケースもおきています。 それとは別に、年金の受給額に合わせて、正社員を選択せずに、短時間のパート・アルバイトで週に数日だけ、短時間で勤務したいという生活費全額を働いて稼ぐ必要がない高齢就業希望者にとっては、ワークシェアリングなどの柔軟な勤務の選択肢を用意する必要があるでしょう。 高齢者雇用を考える企業が把握しておきたい点として、以下が考えられます。
- 担当する仕事の内容・範囲
- 職責
- 期待する仕事の成果
- 配置転換の頻度
新規で高齢者を雇用する場合は、企業が期待する仕事と高齢者が希望する仕事のミスマッチに気を付ける必要があります。
健康面の不安
高齢者に限ったことではありませんが人間には体力的な限界があります。 特に高齢者では体力的に長時間の労働が難しい場合がほとんどです。 そのため、長時間勤務が必須の職場や、体力を多く消耗する作業などには向いていません。また判断力も衰えている為素早い行動を求められる仕事は難しいのではと思います。
社員の高齢化
会社全体の高齢化が進みます。 もちろん技術や知識を持ったベテランが会社に残ることは会社に大きな利益をもたらしますが、短期的な目標ばかりを追求してしまうと、若手の人材育成が滞ってしまったり、会社としての柔軟性を失ってしまうという悪影響も考えられます。また社内の対人関係においても若年層との年齢の壁ができてしまう可能性もあり、業務が滞るリスクもあります。
高齢者の雇用は慎重に
高齢化の進行によって働き手が足りない、定年延長による年金の支給年齢の変更など、今後高齢者雇用の機運が増加するものと思われます。しかしデメリットが大きく体力的な問題や再雇用の際に待遇面でトラブルが絶えないなど問題点が大きいです。継続、再雇用に関しては慎重に行う必要があります。