公務員の働き方改革
公務員の働き方改革
残業や長時間労働も多い公務員
一般的に公務員と言えば、定時で帰れて給料も安定しているというイメージがありますが、公務員の現状として長時間労働も当たり前、残業代はあってないような環境で働いている方も少なくありません。
平成26年度に総務省が実施した地方公務員の時間外勤務に対する実態調査からは、都道府県と主要市の常勤職員1人当たり時間外労働時間は約158時間という結果が出ました。なお、国家公務員は233時間、民間事業所は154時間です。
地域住民への説明会の開催が夜間や休日が多い事、税金の徴収業務や相談を受ける為の自宅訪問などが時間外労働の要因となっています。
そもそも労基法適用外の公務員
一般企業で働くサラリーマンと異なり、公務員はやむを得ない理由での長時間労働や休日出勤があります。民間で働く労働者の労働規則を定めた法律が労働基準法ですが、公務員の場合は労働基準法ではなく公務員の労働規則を定めた法律の勤務時間法、及び人事院規則に従って働く事になります。
そして、人事院規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇)第16条では正規の勤務時間以外の時間において職員に勤務することを命ずる場合には、職員の健康及び福祉を害しないように考慮しなければならないと定めていますが、災害その他避けることのできない事由に基づく臨時の勤務については、この限りでない国会関係、国際関係、法令協議、予算折衝等に従事するなど、業務の量や時期が各府省の枠を超えて他律的に決まる比重が高く…と追記があります。災害発生や有事の際には、各省庁に指示を出す内閣府を始め、自衛隊、消防や警察、市町村役場などの地方公務員まで不眠不休で任務にあたる公務員も多くいます。
公務員である限り災害その他避けることのできない事由に基づく臨時の勤務においての長時間労働は避けられません。
公務員の長時間労働は是正されるのか?
公務員の働き方は、さまざまな法律で定められていますが、労働時間や時間外労働、休日労働などに関しては、国家公務員が人事院規則、地方公務員は人事委員会規則で定められています。これらの規則が改正労働基準法に準じる形で改正されれば、公務員の時間外労働は、民間と同様の上限に抑えられる可能性があります。
人事院が国家公務員の残業時間規制を改正
2019年2月1日には人事院規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇)として、正式に一部改正、改正労働基準法と同様、2019年4月1日から施行されることになりました。
具体的には、超過勤務命令(時間外労働)の上限時間を、1か月について45時間かつ1年について360時間までと規程を改正。他律的業務の比重の高い部署に勤務する職員に対しても、1か月について100時間未満かつ1年間720時間までという、明確な上限が設けられました。
まとめ
労働法の適用対象とならない公務員も、働き方改革がまったく関係ないということではなく、民間の動きに追随するように規定の改定を行なっております。
公的機関で働き方改革が浸透するには時間がかかりそうですが、着実に前進していることが分かります。
一方、公的機関の職員という公務員の業務特性から、テレワーク導入や副業解禁など簡単にできるものではないのも事実です。
柔軟な改革が続くか今後も引き続き注視しましょう。