女性活躍推進の取り組み くるみん認定とは

女性活躍推進の取り組み くるみん認定とは

くるみん認定とは?

くるみん認定とは、仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる企業を認定する制度です。次世代育成支援対策推進法という法律に基づいて厚生労働省が実施しています。
さらに、2015年4月1日より、くるみん認定を既に受け、相当程度両立支援の制度の導入や利用が進み、高い水準の取組を行っている企業を評価しつつ、継続的な取組を促進するため、新たにプラチナくるみん認定がはじまりました。 プラチナくるみん認定を受けた企業は、プラチナくるみんマークを広告等に表示し、高い水準の取組を行っている企業であることをアピールできます。

次世代育成支援対策推進法とは

日本の急激な少子化の進行に対応して、次代の社会を担う子どもたちの健全な育成を支援するため、企業・国・地方公共団体は各種行動計画を策定することとされています。国を挙げて環境整備に努めるために2005年に施行され、10年間を集中的・計画的取組期間とした時限立法となっています。後に法改正によって2025年3月末まで有効期限が延長されています。

くるみん認定を受けるには?

くるみん認定を受けるには、以下のような対応を行う必要があります。

  • 次世代育成支援対策推進法に基づいて一般事業主行動計画を策定する
  • 都道府県労働局雇用環境・均等部に一般事業主行動計画策定・変更届を届け出る
  • 自社ホームページや厚生労働省運営のWebサイト両立支援のひろばなどで一般に公表する
  • 従業員に周知徹底する
  • 一般事業主行動計画に定めた目標を達成する
  • くるみん認定申請書等を都道府県労働局雇用環境・均等部に提出する

行動計画指針には、企業における仕事と家庭(育児)の両立支援のさらなる取り組みを促進するために、パートなど非正規雇用の労働者も取り組みの対象であること、男性の育児休業取得を促進すること、所定外労働の削減に取り組むこと、年次有給休暇の取得を促進することなど、働き方の見直しにつながる取り組みを進めていくことが重要であると示されています。

プラチナくるみん認定とは

プラチナくるみん認定は、くるみん認定を受けた企業のうち、さらにレベルの高い取り組みを行って一定の要件を満たした優良企業に与えられるものとなります。
プラチナくるみん認定申請書に必要書類を添えて、都道府県労働局雇用環境・均等部に申請すると、認定が受けられます。 育児休業を取得している社員の割合や人数の目標数値が高く、時間外労働の月平均などを公表しなければならないなど、とても高いハードルが課せられています。プラチナくるみん認定を受けるためには、事前にくるみんマークの認定を受けていなければなりません。

プラチナくるみん認定を受けるには、以下のような対応を行う必要があります。

  • 育児休業を取得した男性社員が13%以上いること。もしくは、育児休業かそれに類似する企業独自の休暇制度を利用した男性社員が30%以上いて、かつ育児休業を取得した男性社員が1人以上いること
  • 所定外労働時間の削減、有給休暇の取得促進、多様な労働条件の整備のすべてについて対策を行い、時間外労働と有給休暇については数値目標を定めてそれを達成すること
  • 出産した女性社員のうち90%が、出産から1年後に在籍していること(育児休業中でも可)。もしくは、出産した女性社員か出産予定で退職した女性社員のうち55%が、出産から1年後に在籍していること(育児休業中でも可)
  • 育児休業を取得したり、子育て中の女性社員がこれから先も仕事を続け、活躍し続けられるよう、スキル向上やキャリア形成のための取り組みを計画し、それを実施していること
  • フルタイム労働者の時間外労働・休日労働の月平均時間を公表すること
  • 時間外労働が月平均60時間以上になっている社員の数を公表すること

くるみん認定のメリット

企業のブランドイメージが向上する

くるみん認定を受けると、認定マークが企業の広報活動や企業の製品・広告・インターネットなどによる広報に掲載できるようになり、就職や転職を希望する人に広くアピールすることが可能になります。
子育て支援を行っている企業というイメージを与えやすくなり、企業イメージの向上に役立ちます。

税制優遇措置が受けられる

認定企業になると、事業における建物などの取得や事業所の増改築で減価償却が優遇制度として受けられるくるみん税制などの税制優遇措置が適用されます。
青色申告書を提出し一定期間内にくるみん認定を初めて受けると、受けた企業では、認定を受けた1年間の事業年度に新築・増改築した建物などは以下のの割増償却率で割増償却することができます。

まとめ

くるみん認定を受けると企業イメージの向上につなげる施策を打てたり、税制の優遇を受けられるなどのメリットがあります。基準は厳しくなっていますが、ぜひくるみんマークの取得を目指してはいかがでしょうか?

女性活躍推進の取り組み えるぼし認定・プラチナえるぼし認定とは

女性活躍推進の取り組み えるぼし認定・プラチナえるぼし認定とは

女性活躍推進法の改正

2019年5月29日、女性活躍推進法等の一部を改正する法律が成立し、6月5日に公布されました。 その中でもえるぼし認定に更にもう一段上のプラチナえるぼしが追加されました。
改正内容は以下のとおりとなっております。

一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大

 

一般事業主行動計画の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象が、常時雇用する労働者が301人以上から101人以上の事業主に拡大されます。

女性活躍に関する情報公表の強化

 

常時雇用する労働者が301人以上の事業主は、情報公表項目について、

      
  • 職業生活に関する機会の提供に関する実績
  •   
  • 職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績
  •  

上記の各区分から1項目以上公表する必要があります。

特例認定制度(プラチナえるぼし)の創設

 

女性の活躍推進に関する状況等が優良な起業の認定(えるぼし認定)よりも水準の高いプラチナえるぼし認定を創設。

えるぼし認定とは

えるぼし認定とは行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業については、申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができる制度となっております。
認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マークを商品などに付することができます。この認定マークを活用することにより、女性の活躍が進んでいる企業として、企業イメージの向上や優秀な人材の確保につながるなどといったメリットがあります。

えるぼし認定の基準

採用されてから仕事をしていく上で、女性が能力を発揮しやすい職場環境であるかという観点から、以下5つの評価項目が定められています。なお、認定要件は年度ごとに変更されます。申請を検討されている方は厚生労働省の女性活躍推進法特集ページを事前に確認してください

  • 採用
  • 継続就業
  • 労働時間等の働き方
  • 管理職比率
  • 多様なキャリアコース

えるぼしの認定の段階

認定段階は3段階あり、上記5つの評価項目のうち、基準を満たしている項目数に応じて取得できる段階が決まります。

  • 5つ全ての基準を満たす :3段階目(最高位)
  • 3~4つの基準を満たす   :2段階目
  • 1~2つの基準を満たす   :1段階目

認定実績として現在約579社が「えるぼし」認定を受けています。

認定の取り消し

えるぼしマークは、女性活躍推進法に基づく認定制度です。そのため、女性活躍推進法に定められたものに違反した場合や、基準に満たなくなってしまった場合にはえるぼし認定が取り消される場合があります。

下記3点が取り消しの対象になる項目です。一度認定されたとしても取消になってしまう場合があります。

  • 認定一般事業主が女性活躍推進法第9条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき
  • 女性活躍推進法又は女性活躍推進法に基づく命令に違反したとき
  • 不正の手段により認定を受けたとき

プラチナえるぼしとは

プラチナえるぼしは、えるぼし認定3段階目の上の特例認定となり、継続就業、管理職比率の基準が厳しくなっており、5つの評価項目以外にも以下の項目が追加されます。

  • 策定した一般事業主行動計画に基づく取組を実施し、当該行動計画に定めた目標を達成したこと。
  • 男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任していること。
  • プラチナえるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準の全てを満たしていること
  • 女性活躍推進法に基づく社内制度の概要を除く情報公表項目のうち、8項目以上を女性の活躍推進企業データベースで公表していること。

このように具体性、実践性、目標の達成が求められており、プラチナえるぼしでは基準をクリアしているだけではなく、事業として実施していけるかどうかを求められるようになっています。

えるぼし認定のメリット

この認定マークを活用することにより、女性の活躍が進んでいる企業として、企業イメージの向上や優秀な人材の確保につながるなどといったメリットがあり、例えば認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マークえるぼしマーク又はプラチナえるぼしマークを商品 などにつけることができます。また、公共調達や低利融資面が得られやすくなるなど、企業運営にとっても魅力的な要素が揃っています。
プラチナえるぼし認定企業は、一般事業主行動計画の策定・届出が免除されます。

まとめ

えるぼし認定の取得は、公共の入札が有利になる、優秀な従業員の確保ができるなど企業活動の促進に役立つほか、企業の社会的責任を果たしている証明になるため、取得して損のない制度となっております。認定企業数は創設以来増加しており、今後もさらに増えていくでしょう。

女性活躍推進法とは?背景と期待できるメリット

女性活躍推進法とは?背景と期待できるメリット

女性活躍推進法とは、女性が働きやすい環境づくりを企業に求める法律で、正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。女性活躍推進に向けて短期間で集中的な取り組みを進める必要があることから10年間の期限がある時限立法として2016年4月に施行されました。2019年5月にはその一部を改正されました。

女性活躍推進法とは

2016年4月1日、政府は女性活躍を実現するために女性活躍推進法を定めました。 「女性が仕事で活躍する」といった内容を事業主に対して義務化したことです。 女性の活躍推進に向けた数値目標を含む行動計画の策定及び公表、女性の職業選択に役立つ情報の公表が、国や地方公共団体、民間企業等の事業主に義務付けられました。

女性活躍推進法の基本原則

同法では以下の基本原則を元に、女性活躍の推進が図られています。

  • 女性の採用、昇進等の機会の積極的な提供及び活用や、性別で固定的役割分担等を行う職場慣行の是正が実施されること
  • 「職業生活と家庭生活との両立」を実現するための環境整備により、それが円滑かつ継続的に実施されること
  • 上記の両立に関し、本人の意思が尊重されること

こうした基本原則の実現のために、同法は国、地方自治体と企業等に以下のような取組内容を定めています。

  • 女性の活躍推進の基本方針、企業等が作成する「行動計画」の指針の策定
  • 企業の優れた取組への認定、発注先としての優遇扱い
  • 女性の職業選択に資する情報の公開、啓発活動、職業紹介、訓練、起業支援等による支援
  • 国の機関に勤務する女性のための行動計画の作成及び実施状況の公表
  • 管轄地域での女性活躍推進の計画作成
  • 働いている女性等からの相談対応、関係機関の紹介、情報提供、助言
  • 国が女性活躍推進で優良と認定した企業への発注先としての優遇扱い
  • 自治体の機関で勤務する女性のための行動計画の作成及び実施状況の公表

企業等の場合(300人以下の企業は努力義務)

  • 女性採用比率、勤続年数男女差、労働時間、女性管理職比率等、企業の女性活躍についての状況把握、課題分析
  • 状況把握及び分析に基づき、課題の解決ができる適切な数値目標と取組内容を含めた行動計画の策定、届出、周知、公表
  • 企業の女性活躍についての情報公開

厚生労働省によると、2017年12月末時点で行動計画策定等の義務のある一般事業主の99.7% にあたる16,071社が行動計画を届けています。努力義務とされる300人以下の一般事業主での策定・届出数は3,866社です。

女性活躍推進法の導入の背景

女性の活躍推進を求める背景には、少子高齢化に伴い労働者不足の加速化が予想され、女性の潜在的能力の活用が求められてきたことや、産業構造の変化により多様な人材を活用していこうという機運が高まってきたことなどが挙げられます。 また、女性の就労面の改善が不十分であったことも女性活躍推進法の導入の背景にあるとみられています。 女性の社会進出を巡っては、1985年の男女雇用機会均等法以来、育児休業法、育児介護休業法、次世代育成支援対策推進法が制定され、雇用面での男女の均等化への支援や、仕事と家庭の両立を図るための支援が実施されてきました。その結果、女性の就業者数は上昇し、特に2012年からの5年間では約7.2%増と、大きく改善しています。 しかし、管理職に占める女性の割合は11.2%に留まります。これは、2003年に男女共同参画推進本部が目標値としていた30%程度に遠く及びません。女性の就業は徐々に進んでいるものの、職務は補助的な役割に留まっており、キャリア形成では不十分な状況でした。

ここから言えることは、「雇用」や「仕事と家庭の両立」など、女性の就業を支えるための個別の施策だけでは、女性のキャリア全体を支援することにはならず、本当の意味で女性の社会進出を促すことにはならないということです。そこで、「雇用面での均等支援」と「仕事と家庭の両立支援」を包含した施策が求められるようになりました。

期待される効果

女性活躍促進法は、女性が自身の意志によってキャリアを構築し、スキルを十分に発揮することが可能となる社会づくりを目指す法律です。その実現のため、主に以下の3つの方針を基本原則としています。

  • 採用や昇進が平等に行われ、職場環境においても平等が配慮されるべきこと
  • 仕事と家庭が両立できる環境をつくること
  • 女性本人が、仕事と家庭の両立に関する意思決定をできること

仕事と家庭を両立

会社での長時間労働を前提とした働き方では、女性に仕事か家庭生活かの二者択一を迫ることになります。 女性に仕事と家庭を両立した上で十分に能力を発揮してもらうには、長時間労働を改める、多様な働き方を認めるなど、抜本的な労働環境の見直しが必要になります。
女性はもちろん男性も含めて、育児や介護などで時間に制約のある労働者が増えてきている現状に合わせて、働き方改革を行い、誰もが働きやすい職場を実現することが重要となります。

男性が家庭生活に参画する事

少子高齢化や共働き世帯の増加によって、男性が家事・育児・介護などの家庭生活に参加する場面は着実に増えてきています。男性が積極的に家庭生活を支えれば、女性の負担も減り、職場での活躍も進むでしょう。
そのため女性だけでなく、男性も家庭生活に気兼ねなく参画することを強力に推進し、仕事と家庭生活を両立させることが当たり前となるような社会や、働きやすい職場環境を整えていくことが求められます。

女性のキャリアアップを邪魔しない

出産を終えて職場に復帰したとしても、育児のために残業ができなかったり早退や休むことが多かったりするため、簡単な仕事しか与えられなくなり、出世コースとは異なるコースに乗ってしまうことが多くなります。
このような状況を改善するには、仕事と家庭を両立できる支援制度や、家庭生活に参画しながらキャリアを形成していけるような仕組みの構築が重要となります。

女性活用のメリット

企業文化の改革

女性活躍の推進は企業文化の改革にもつながります。日本企業の多くは、制度面でも風土面でも男性中心の状態が続いていましたが、近年は女性の社会進出に伴い、大企業でも変化が見られます。「働きやすい職場」を実現するためにまず必要なのは制度改革ですが、これを浸透させ、実用化するためには全ての従業員の意識改革が必要です。 その過程で、時代に見合った新しい風土が生まれていきます。 例えば、女性の方が上下関係を超えたコミュニケーションが得意なため、縦割り組織の是正や会社全体のコミュニケーションの活性化につながる、などです。 日本では経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定し、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家に紹介しています。選定された企業では株価の上昇だけでなく、企業イメージの向上も期待できるでしょう。「なでしこ銘柄」選定企業は経済産業省のHPで確認できます。 女性活躍推進は政府の主導で開始されたものですが、企業にとってのメリットは明らかです。ぜひ積極的に取り組み、企業としての成長につなげましょう。

女性の活躍の課題とデメリット

女性の活躍推進するにあたっての取り組みが多く進む中同時に課題も多く出てきております。

社員の意識改革が進まない

「女性活躍」というキーワードだけが認知され、女性が働きやすい環境が整うことによる効果や必要性がまだ十分理解されていない状況です。 特に、施策を運用したり業務のマネジメントを行う管理職層に女性活躍推進の必要性を浸透させることは必要不可欠です。 女性が働きやすい環境を整備することで、組織全体にどのようなメリットがあるのかをしっかりと周知していくことが大切です。

育児・介護の両立がうまくいかない

仕事と育児の両立のハードルも高く、両立経験者のうち、仕事をやめようと思ったことがある人は半数以上で理由は「時間的な余裕がなく、子どもに向き合えない」が最も多く。 共働きの夫の1日の家事・育児時間は46分で妻の6分の1以下で負担は女性に偏っています。 上司や職場の理解・夫の理解と協力が進んでおらず、職場・家庭双方での男性の意識を変える必要があります。

まとめ

女性活躍を推進するためには様々な準備が必要となりますが、その分、社員・企業双方に大きなメリットがあります。
女性活躍推進法の定める義務と向き合い、まずは自社の現状や現場のニーズをしっかりと把握することから始めましょう。社員にもさまざまなメリットを周知させ、長期的に計画を行ってきます。職場における男女格差をなくし、企業環境全体を良くする足がかりになります。

女性活躍の日本と世界の現状

女性活躍の日本と世界の現状

女性活躍の日本と世界の現状

政府が「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%まで押し上げる」と目標を掲げたことで、女性活躍推進法が施行されました。 これにより女性管理職の増加を目指す動きが活性化していますが、思うように推進できていない企業が少なくないのが現実です。

女性活躍が推進されている背景

少子化による労働力不足

女性の活用が急がれる背景には、少子高齢化に伴う労働力不足問題があります。
労働人口の減少に伴う全体的な生産性の低下により、 従来通りのサービス、業務が出来なくなってしまう可能性があり、50年後には現在の半分にまで労働人口が落ち込むと言われています。この状況を打開するために、政府は成長戦略の一環として女性活躍推進法を制定し女性の活躍を推進しました。

再就職できない女性が多い

出産や育児を理由に一度仕事を離れていた女性が再就職を望んでいるにも関わらず、思うように復帰できない状況にあること多く、こうした女性の社会進出を妨げる要因を取り除くことで、労働力不足を補うことができると考えられています。

海外との比較

2016年に内閣府が発表した「管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」は下記となっており、日本は11位でわずか12.5%となっています。2020年に社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合を30%程度にすると政府が目標を掲げていましたが、現実的に実現は不可能な状態です。

  1. フィリピン (47.3%)
  2. アメリカ (43.4%)
  3. スウェーデン (39.5%)
  4. オーストラリア (36.2%)
  5. ノルウェー (36.0%)
  6. イギリス (35.4%)
  7. シンガポール (33.9%)
  8. フランス (31.7%)
  9. ドイツ (29.0%)
  10. マレーシア (22.2%)
  11. 日本 (12.5%)

上位に入っている国にヨーロッパが多いですがそれには下記のような特徴があります。

キャリア意識の違い

ヨーロッパにおいて女性役員比率が高いのが目立ちますが、ヨーロッパの女性の社会進出が進んでいる理由の1つとして、まずキャリア意識が高いことが挙げられます。
ヨーロッパの人々は、幼少期からキャリア教育を受けて育ちます。そして、大学進学のときには将来のキャリアを見据えて専攻を選び、勉学に励みます。学生時代には長期インターンシップに参加します。また、日本のように定年まで1つの職に就き続けることは珍しく、キャリアアップのための転職が当たり前に行われています。

企業の採用基準の違い

ヨーロッパは主に実力主義社会のため、企業の採用では、日本のように新卒採用や既卒採用という枠組みがなく、即戦力であることが求められます。そのため、採用基準は、求職者の志望動機や自己PRよりも学歴や職歴が重視されます。採用条件に性別や年齢の制限もありません。
雇用形態は、日本と同様に正社員と非正規社員があります。賃金については、法律により雇用形態での差別を禁じられていることから同一労働同一賃金制が導入されており、女性だから、子育て中だからといった理由で待遇を差別されることはありません。

日本の女性活躍の課題

女性の活躍推進の目的が明確でない

女性の活躍を望んでいながらも、女性の活躍を推進する目的や意義を明確にしていない企業は少なくありません。 推進力を高めるには具体的な数値目標を設定をするなど、会社への影響や目標とすべき姿をしっかりと思い描くことが大切です。

女性を育成する風土がない

女性自身の仕事に対する意識が低いことや、良質な仕事にアサインしてもらえていないことから、中堅になる前に退職するケースが多いです。 この背景には、「女性は結婚や出産を機に家庭に入るべきだ」という考え方や、家庭を持った女性に対して重要な仕事を任せない企業の慣習などがあります。
女性の活躍を推進するにためには、まず女性を育成する環境を整えることが重要となります。

まとめ

日本の女性の管理職比率は、国際データと比較しても決して高い水準ではありません。日本はまだまだ女性が社会進出するうえで困難が多い社会と言えるでしょう。一方で、性別を問わず優秀な人材が活躍できる環境作りに積極的に取り組む企業もあります。 働きたい女性のニーズに応えることは、人手不足に悩む国や企業にとってもメリットが大きいため、今後も女性活躍推進に向けて、国としてさらなる制度拡充と取り組みの強化が進んでいくことが期待されます。

働き方改革ツール導入の相談

SuiteRPAの他、働き方改革の役に立つツールやシステムのご提案を行なっております。 システム導入を考えている方、興味のある方はお気軽にご相談ください。

ビデオ会議のメリット

ビデオ会議のメリット

ビデオ会議とは

ビデオ会議は、PCやタブレット、スマートフォンといったデバイスやツールを利用して、音声や映像によりコミュニケーションを行うことができるシステムです。ウェブブラウザを用いたシステムが多いため、Web会議と呼ぶこともあります。
テレビ会議との違いはテレビ会議が専用の回線が必要なのに対しビデオ会議はweb回線で使用が可能で投資が少ないという点があります。

ビデオ会議のメリット

ビデオ会議は場所を選ばずどこでも打ち合わせなどが可能という点です。また直接対話を行うため文章では確認しずらい箇所の確認や正確かつ迅速な意思決定が可能になります。

正確な意思決定が可能

デバイスを介してではありますが、直接対話を行うことによって、メールなどの文章では伝わりずらいことも伝えることが出来たり、より正確な伝達を行うことが出来ます。 ビデオ会議の利用により、正確で迅速な意思決定が可能になります。

社内教育を効率化

社員教育では、営業所や拠点が遠方に散在している場合が多く、集合研修をしようとすると、時間やコストがかかるという課題がありました。 ビデオ会議を使えば、距離や時間の制約を受けないため、コストをかけずに効率的な教育が可能になります。

出張費を削減

ビデオ会議を利用すれば、時間や場所、距離にとらわれず、いつでも自由に本社、支社でコミュニケーションを取ることができます。 無駄な出張を抑え、移動に掛かる、交通費、人件費、宿泊費などの経費と何より貴重な時間をカットし、出張と同様の効果が期待できます。

どこでも打ち合わせが可能

社外でも、出張先のホテルでも、自宅でも会議に参加が出来ます。 時間の有効活用が可能になります。

複数の事業所があったり、在宅ワークの社員を抱えていたりと、「会議を開きたくても難しい」「会議コストを削減したい」と考えいる企業にとって、ビデオ会議は効率化に大きく貢献することができます。

会議以外にも広がる活用法

遠隔地からの指示に活用

スマートグラスやドローンを活用した社会インフラのメンテナンス、災害時の情報共有など、会議以外の分野でも活用が進んでおります。 インフラメンテナンスや工事現場で、作業者と指示者がWeb会議で現場の状況をリアルタイムに共有することで、作業品質の向上、作業時間の短縮が見込めます。 また、迅速な情報共有と的確な指示が必要になる災害時には、資料や映像をリアルタイムで共有し、情報を集約することで、より精度の高い対策を練ることが可能です。 このようにビデオ会議のシステムを応用し遠隔地からリアルタイムな指示を行うなどどの業種でも応用が進んでおります。

同一労働同一賃金のメリット

同一労働同一賃金のメリット

好循環を生みなす流れを作れる

個人の経済に好循環が生まれることが期待できる

非正規労働者であることで、希望と異なる報酬しか受け取ることができず、自分がイメージするライフスタイルを送れないことがあります。
今回の法制定で、一人ひとりが適正な報酬を受けることができれば、個人の経済状況が上向き、生活に余裕ができることも考えられます。経済にも好影響を与えるとして期待されています。

自分に合った働き方・生き方が選べる

雇用形態や勤続年数によってではなく、スキルや経験、成果によって報酬が決まるようになれば、より柔軟なワークスタイルの選択肢が広がります。「正規労働者だから・非正規労働者だから」という議論ではなく、多くの人がライフステージにあわせて仕事を選択できるようになります。
キャリアの途中でも、育児・介護などや通学などでプライベートの期間を設ける、派遣社員として専門スキルを積み独立するなど、個人の希望する働き方ができるでしょう。

非正規社員のパフォーマンスが向上する

仕事に対するモチベーションは人それぞれですが、やはり賃金はモチベーション維持のために最も重要な要素のひとつです。賃金が上がれば非正規社員のモチベーションが上がり、彼らのパフォーマンスの向上が期待できます。ひいては、企業の業績アップにつながるかもしれません。

非正規雇用ではなくなる可能性も

格差が是正されることによりパフォーマンスの高い非正規社員が正社員として雇用されるケースもあります。また正規、非正規という概念を無くし全社員正規雇用扱いにする企業も存在します。

優秀な人材の定着率が向上する

さまざまな働き方が可能になり、適正に報酬を受けることができれば、社員の満足度も上がり、よりよい環境を求めて退職する人も少なくなり、優秀な人材が豊富に定着することにもつながります。

どのような形で法制化するのか

正規雇用者と非正規雇用者間の処遇格差について、「同一労働同一賃金」という言葉そのものを制度化するというわけではありません。 同一労働同一賃金の多くが、「合理的理由の無い処遇差別の禁止」という形で条文化されています。賃金だけに限定してしまうと、労働の対価としての給与以外の手当や経費などについての処遇格差は制度外の問題とされてしまうのです。
賃金以外の給付についても処遇格差が生じないようにするために広く処遇を意味する形で「合理的理由の無い処遇差別の禁止」という文言が使用されているのです。

賃金差の合理的理由を社員に説明する責任が生まれる

同一労働同一賃金の導入に伴って法改正が進むと、なぜ賃金に差があるのかを立証する責任が企業に生まれます。合理的理由が説明できない場合には企業が賠償責任を負う可能性もあります。労働者側も労働条件等にしっかり目を通す必要があります。

同一労働同一賃金の事例

同一労働同一賃金の事例

同一労働同一賃金では賞与も対象に

働き方改革の大きな柱の1本である「正規・非正規間の格差是正」を目指した「同一労働同一賃金」制度があります。さまざまなメディアで取り上げられているように、「同一の労働に従事する労働者には同一の給与を支給する」という考え方のもと、EU諸国に普及している考え方をベースに、現政権で法制定に向けて議論が進んでいます。
同一労働同一賃金ガイドライン案では、企業・働く人双方に影響が少なくない「給与」に関しての項目もあり、基本給以外の「各種手当」、福利厚生や賞与などの考え方も含まれています。
また、通勤手当などは、制度設定の目的が「通勤にかかる費用負担」なので、雇用形態で差をつける合理的な理由はありません。そのため、同一労働同一賃金では、非正規雇用であっても正社員と同じように通勤手当を支払う必要があります。

イケアジャパンの事例

大手家具メーカーであるイケアジャパンは、労働者を雇用形態関係なく『コワーカー』と呼び、同じ業務である場合は同じ賃金が適応される制度を導入しています。また同一の福利厚生を適用、労働時間の選択が可能となっております。

雇用区分の廃止によるメリット

雇用区分を廃止し、全社員を同一の身分にしたことにより、 給与水準が大幅にアップしたことにより、税法上の扶養控除がなくなってもそれをカバーできるだけの収入が見込まれることから、より長時間働きたい、新しいことにチャレンジしたいというコワーカーが増加し、 また、地域ごとに異なっていた賃金を全国一律にしたことで、地方への転勤希望がでるなど、働く場所の選択肢の拡大にもつながりました。
有期契約から無期契約に切り替わったことにより、コワーカーの間に安心感や安堵感が広がり、長期でのキャリアやライフプランを考えることができるようになり離職率も低下傾向になりました。

日本郵政の場合

日本郵政グループは正社員の一部の住居手当を廃止することを検討。  そのほかに正社員の遠隔地手当や寒冷地手当も削減。一方、繁忙期の年末年始手当のうち、年始勤務手当は非正規社員にも支給し、年末手当は廃止としました。 人件費の高騰を避けるため正社員の待遇を非正規社員に近づける事で同一労働同一賃金を実現しました。

非正規社員の賃金をあげた場合、総人件費が高くなります。会社の財源も限られているので、このように賃金自体が相対的に下がる可能性もあります。

同一労働同一賃金は、本来の目的通りに実現すれば非正規社員の賃金向上と格差の是正につながるかもしれません。
一方で、実現に至るまでには多くの課題があるため今後の動向にも注目する必要があります。

同一労働同一賃金のポイント

同一労働同一賃金のポイント

同一労働同一賃金制度とは

同一労働同一賃金制度は、同一の労働に従事する労働者には同一の給与を支給するというもので、EU諸国に普及している考え方です。 非正規雇用労働者は、正規雇用労働者との間に不合理な待遇差があるなかで雇用契約を交わしています。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を解消し、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられるようにするため、同一労働同一賃金の実現が求められています。 「正規だから」「非正規だから」といった基準ではなく、「この業務をこなしたから」「この会社で働く人材だから」といった基準で、均等・均衡な待遇を求められます。

正社員と非正規社員の格差

短時間勤務や週に数日だけ仕事をするなどライフスタイルに合わせた働き方をするため、自分から希望して非正規社員になる人もいますが、それでも正社員と仕事は同じなのに給料が安いといった不満の声は少なくありません。 そのため、不本意ながら非正規社員を続けている労働者の場合は、賃金格差に関する不満は一層、深刻なものとなり、モチベーションの低下につながります。非世紀雇用者の数は年々増加しており、格差の是正が急務となっております。

同一労働同一賃金ガイドライン案

同一労働同一賃金を実現するために、ガイドライン案では、各企業において以下のような取り組みが必要になるとまとめています。

正規社員、非正規社員それぞれの賃金決定の基準やルールを明確にし、「職務と能力など」と「待遇」との関係を含む処遇体系を労使で話し合い、非正規社員を含めて労使間で共有する

それぞれの企業が、自社の職務内容や社員一人ひとりの能力・スキルなどを明確にして、処遇体系全体に関して労使間で確認し、全社員の処遇に関する基準を共有することが求められます。 賃金決定の基準やルールの違いなどがある場合には、公平な理由などを明らかにしておくことが必要です。

賃金以外の、福利厚生や能力開発などの処遇の均等を図り、生産性の向上を目指す

合理的でない待遇の格差は賃金だけではありません。有給や交通費、社内食堂などのファシリティーといった福利厚生、キャリア形成・能力開発などのスキルアップの機会において、格差がある項目は多岐にわたります。福利厚生は、たとえば子育てサポートや資格の取得支援、サークル活動の支援、有給休暇制度や財産形成貯蓄なども含まれます。 能力開発に関しては、非正規の社員にも機会を与えることで、個人のスキルアップ、生産性が向上することで、結果、弾力のある組織にもつながります。

派遣労働者に対する均等・均衡処遇

派遣労働者が、派遣先の労働者と比較して職務内容、職内容や配置の変更範囲、また、その他の事情が同じ場合、派遣元事業者は均等・均衡な待遇を図る必要があります。具体的には、派遣先の労働者と同じ賃金を支給し、福利厚生施設の利用や教育訓練の機会を与える必要があります。 均等・均衡待遇を図る上での待遇差について、社員サイドの納得度の高さが重要なポイントです。雇用形態に関わらず均等の処遇が確保され、誰もが自由にワークスタイルを選ぶことができる就労環境を目指すとしています。

正社員と非正社員の仕事区分を明確にする

同一労働同一賃金は、職務内容が同じであれば同じ賃金を支給しなければなりませんが、違いがある場合には違いに応じた賃金の支給をするという考え方です。そのため、正社員と非正社員の職務内容を明確に区分し、違いを明らかにすることにより、比較が行いやすくなります。
同一労働同一賃金ガイドライン案では、今後、各企業が職務や能力等の内容の明確化と、それに基づく公正な評価を推進し、それに則った賃金制度を、労使の話し合いにより、可能な限り速やかに構築していくことが、同一労働同一賃金の実現には望ましいとあります。 仕事を明確に区分することで、非正規社員が正規社員との違いを理解できれば納得度が高くなり、待遇格差によるトラブルの防止にもつながります。

業績や成果に応じて支給する

日本でも、成果主義を導入している企業はありますが、基本給のすべてを業績や成果で決めるのではなく、さまざまな要素を組み合わせて決定する企業がほとんどです。 複数の基準を組み合わせて給与を決定する場合、それぞれの評価項目ごとに、正規雇用労働者と非正規雇用労働者が同一かどうかを判断する必要があります。

これまで、パートタイム労働者と派遣労働者においては、賃金、福利厚生、教育訓練などの待遇内容に関して説明責任が課されていました。改正後は、有期雇用労働者にも本人の待遇内容および待遇決定に際しての考慮事項に関する説明義務が創設されます。  また、 非正規労働者が正社員との待遇差に不満がある場合、改正によって、待遇差の内容や理由について説明を受けられるようになり、パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、事業主に正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等の説明を求めた場合に、説明義務が創設されました。この説明を求めたことによる不利益になることは禁止されます。

システムによる評価システムの可視化

今後、格差縮小を目指し施策を行う必要があります。システムを用いて可視化することにより公平な評価を行うこと、また可視化することによって正規社員、非正規社員共に納得させることができます。

残業時間の上限規制のポイント

残業時間の上限規制のポイント

労働基準法改正

労働基準法が改正され、4月より時間外労働に罰則付きの上限が設けられました。ただし、中小企業については、2020年からの適用になります。また、建設の事業、自動車運転業務、医師については、当分の間(5年間)適用を猶予されます。新技術・新商品等の研究開発業務については、適用除外となっています。

時間外労働できる上限時間が、1ヵ月45時間、1年360時間になります。今までも1ヵ月45時間以内、1年360時間以内と、労基署等から指導を受けた事業所も多いと思いますが、今までは「限度基準告示」で定められたものでした。
それが今回、法改正によって、「告示」から「罰則付きの法律」に格上げされました。ですので、1ヵ月45時間、1年360時間を超える協定を結ぶことは、法違反ということになりました。 また、今までは年6回については、特別条項を結ぶことで1ヵ月及び1年間について上限のない協定を結ぶことができました。実質、青天井でした。しかし、今回の法改正によって、たとえ特別条項を結んだとしても、1ヵ月の上限は100時間未満、1年の上限は720時間となりました。
また特別条項による1ヵ月100時間未満の時間外・休日労働ですが、たとえ単月で100時間未満であったとしても、2~6ヵ月のそれぞれの平均がすべて80時間以下でなければなりません。

36協定

36協定は、正式には「時間外労働・休日労働に関する協定届」といい、労働基準法第36条に該当することから、「36協定(サブロク協定)」と呼ばれています。業務の繁忙期や緊急対応などによって、法定労働時間を超えた労働や法定休日に労働する場合も考えられるため、あらかじめ企業と労働者(労働組合、もしくは労働者の過半数を代表する者)が書面で36協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届出を行います。これによって、法定労働時間を超える残業が認められるようになるため、36協定の届出をせずに時間外労働をさせることは労働基準法違反となります。

36協定経過措置

改正法の施行に当たっては、 経過措置が設けられています。この経過措置によって、施行前と後に跨がる期間の36協定を締結していた場合には、その初日から1年間に限っては、その協定は有効となります。

残業代、有給消化のポイント

割増賃金

時間外労働関連で、中小企業がおさえておくべきポイントとして挙げられるのが、「月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)」になります。大企業ではすでに2010年より適用されていますが、2023年4月1日からはこれまで猶予されていた中小企業も例外なく対象とされます。 時間外労働の上限規制と共に、月60時間超の割増賃金率増への対応を考える上では、企業において「そもそも残業が生じない体制」の整備を検討する必要があります。

一定日数の年次有給休暇の確実な取得

使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないことになります。

取引先との環境の改善

自動車運転従事者の時間外労働の原因として「人手不足」をあげるものが多く、また12月に深夜業が多く、また、ストレス発生原因として、バスは長時間労働、タクシーは売上・業績等、トラックは精神的な緊張ストレスが最多となっています。トラックでは、企業における取引慣行として荷主から要請される事項として、「荷主の都合による入出庫の手待ち時間」「契約外の作業」を挙げるものが多かったとされています。 長時間労働の是正には取引環境の改善も非常に重要です。労働時間等設定改善法では、事業主の責務として、短納期発注や発注の内容の頻繁な変更を行わないよう配慮するよう努めることと規定されました。
様々な取引上の制約が存在する場合があることから、長時間労働の是正は事業者側のみの努力での解決が難しく、取引関係の在り方も含めて改善や長時間労働の抑制に向けた取組の実施が必要となります。業種・業態の特性に応じて発注条件等の適正化を促進する等、取引関係者の発注の仕方等に問題がないのか、といった見直しも検討する必要があります。

残業時間の上限規制のデメリット

残業時間の上限規制のデメリット

業種によっては導入が難しい

長時間労働が常態化している医師や建設、運輸は5年間、適用が猶予されており、運輸は猶予期間後も年960時間の規制となります。医師の場合は医療サービスの質の維持や応召義務、医師偏在との兼ね合いなど特殊な事情を多く抱えており、具体的な規制の枠組みは未定となっています。
特に医療関係は医療現場に混乱が生じる可能性があるものの医師の長時間労働は深刻さを増しており、取り組みが難しくなっております。

残業規制のデメリット

運用に問題があると成功しない

  • 持ち帰り残業が発生する可能性
  • サービス残業の横行
  • 急な対応に対処できない
  • 他社との連携に支障が出る
  • 業績が落ちる

企業、労働者共に残業前提で業務が成り立っている状態は企業として相当不健全な状態とも言えます。 また労働者から見てサービス残業など残業代を出さない違法行為が横行するなどのリスクも懸念されています。

今後企業が求められる対応

業務の全体的な見直しを

企業の内部でするべきこととしては、社員への教育と、業務のスリム化、労働時間の把握、人員の見直しなど、生産性の改善策の実施が必要となります。 今後法律で制限されることを考慮し早急に対策を行う必要があります。 残業を減らす方法として、業務フローの見直しとシステム化、正社員や給与を増やす、上司が率先して帰るなどあります。業務の状況に問題がある場合はシステム化が有効的です。