ダイバーシティの事例
ダイバーシティの事例
ダイバーシティの考え方が働き方改革と共に浸透していますが、実際にどのような形で取り入れられているのでしょうか
ダイバーシティの必要性
日本において、ビジネスにおけるダイバーシティ推進は重要な課題になっています。少子高齢化が進む中、生産年齢人口は今後減少することが予想されています。さらに、好景気により失業率は2.5%程度と完全雇用に近い状態ではないかと言われています。
労働人口は今後慢性的に不足していくと考えられているのです。女性、高齢者、外国人、障害者など多様な人々の雇用を推進するために、就労環境を整えることが求められています。
日本の企業は多様な人材を確保し、多様な背景を持つ個々人を組織の競争力向上に役立てる必要があります。
ダイバーシティの事例
楽天での事例
インターネット通販の楽天では、ダイバーシティをイノベーションの原動力とし、重要な企業戦略のひとつに位置付けています。 日本企業の中でも、いち早く「英語の社内公用化」に取り組み、多様な価値観や考え方、意見を取り入れた事業展開を行なっており、近年では女性社員の仕事と育児の両立、LGBT、障害者雇用・活躍推進にも積極的に取り組んでいます。
日産での事例
日産では女性を中心とした設計グループを2006年に作り、今まで男性向けにデザイン、マーケティングされることが多かった自動車において、女性の視点を取り入れました。
その結果、たとえば自動車のマーチに新色のサクラを投入して、女性向けに細部にこだわる宣伝手法を行ったことによって、販売台数が増加しました。
ダイバーシティの推進方法
ダイバーシティ導入による効果を正しく得るためには、正しい知識を持ってダイバーシティの推進に取り組まなければなりません。
人事・評価制度の改革
経営トップによる、ダイバーシティ推進を重視するメッセージを継続的に発信するとともに、女性や若手社員など社内の少数派の考えや意見が排除されない労働環境の構築も考えなければいけません。公平・公正かつ透明性の高い人事・評価制度改革は必要不可欠であり、女性社員の明確なキャリアパスの策定サポートや、人事部門内に女性活躍推進担当などの新たな役職を設置することも有効です。
コミュニケーションの促進
ダイバーシティを推進するためには、社員間のギャップを緩和し、オープンかつ双方向に意見を交換できるコミュニケーションの場を設置していくことが大切です。ダイバーシティ推進に取り組む企業が増えている一方で、導入後思った以上の成果が出ずに迷走している企業も少なくありません。
浸透できていない理由は多岐にわたりますが、多くの要因がコミュニケーションの取り方に問題があるといわれています。違いを強みにつなげるためには、風通しの良い職場風土を醸成していかなければいけません。
まとめ
正しい知識を持ってダイバーシティの推進に取り組むことで、ダイバーシティの効果を大きく得ることができます。性別や国籍、年齢など目に見える属性だけに着目するのではなく、アイデンティティーを構成する全ての要素を多様化の対象として扱うことが重要です。ダイバーシティの推進によって組織内の多様性を高め、全従業員が互いの個性を受容し合うことで、個々の人材が保有するあらゆる要素を最も適した形で企業活動に活用することが可能となります。