2020/01/20

働き方改革と副業

働き方改革と副業

働き方改革と副業

働き方改革実行計画の中で労働者の健康確保に留意しつつ、 原則副業・兼業を認める方向で、副業・ 兼業を普及促進との方針が出されました。副業解禁はいつからで、どんな企業が取り組みを行なっているのでしょう。

働き方改革の中の副業

基本的に副業は解禁を奨励

政府は働き方改革についての具体的な内容を働き方改革実行計画として定め、この中で副業については、第5章の柔軟な働き方がしやすい環境整備の部分ではっきりと記述されています。
テレワークは時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため、子育て、介護と仕事の両立の手段となり、多様な人材の能力発揮が可能となる。副業や兼業は新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効となっており、副業に対し非常に高い評価をしていることが分かります。
ただし、この文には続きがあります。そこでは、他方、これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒。労働時間管理をどうしていくかも整理することが必要。ガイドラインの制定など実効性のある政策手段を講じて、普及を加速とあり、本業と副業を合計した場合の懸念についても盛り込まれています。 政府は副業によるリスクも把握しつつも原則として解禁を奨励しており、副業の効果に対して非常に期待を寄せていることがわかります。

従来の多くの企業は否定的な見方

なぜ、企業は副業を禁じるのでしょうか。大きく2つの理由が考えられます。1つは競合他社で副業することによる情報流出を防ぐためです。経験があるということで競合他社に勤務する可能性はゼロとは言えません。
もう1つは本業に支障が出ることを恐れるためです なお、前述の働き方改革実行計画ではこれまでの裁判例や学説の議論を参考に、就業規則等において本業への労務提供や事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合等以外は合理的な理由なく副業・兼業を制限できないことをルールとして明確化とのガイドラインが示されています。原則としては副業解禁ですが、本業への支障がある場合は例外とするという意味です。

好意的な見方をする企業

本業にも良い影響が出るとの見方がある

上記のように情報漏えいや本業への支障、長時間労働などのデメリットへの対策が必要なのに、それでも副業を解禁するメリットはどこにあるのでしょうか。仕事に直結する点として、副業を通してスキルアップすることができます。これは働き方改革のポイントの1つである、労働生産性の向上に寄与します。
本業に関係のある副業であれば効果はもちろん期待できますが、全く関係のない業種でも本業と結び付けられる可能性がありますので、必ずしも本業と関係なくも企業にとってプラスになる可能性は十分にあります。

労働者本人への影響

労働者本人としては自分の進む道を自ら選んでいるわけですから、満足度も高いはずです。もし副業の解禁によりストレスをため込まないようになり、メンタルヘルスに役立つなら、休職や離職を未然に防ぐ効果も期待できるかもしれません。
働き方改革実行計画には副業・兼業を希望する方は、近年増加している一方で、これを認める企業は少ない。労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業を普及促進との文言があります。

副業の解禁による、働き方改革の効果

多様な働き方のできる社会に繋がる

副業を認めるということは、会社にとっても慎重な判断が求められるところです。ということは副業が許される会社というのは、おそらく全体的に柔軟な働き方を認めている職場になっているはずではないでしょうか。
そのような会社が増えれば、より多くの人が労働市場に参入できるようになるでしょう。時間も場所も多様な労働が可能になれば、ワークライフバランスもとりやすくなります。また、いろんな事情を抱えた人々が可能な範囲で労働し、家庭での責任を果たし、生活の質の向上を目指せるようになることが期待されます。これは働き方改革のもう一つのポイント、労働力人口の増加につながることでしょう。

パラレルキャリアの構築

副業に関する語句として押さえておきたいものにパラレルキャリアというものがあります。これはあのピーター・ドラッカーが提唱した概念で、本業を持ちながら第二のキャリアを築くことを意味します。
これを構築するためには、何らかの形で本業に結び付けることを意識した社外活動を選ぶ必要があります。もちろん、すべての副業がパラレルキャリアにつながるわけではありませんが、本業に結びつくような副業をあえて選択することでスキルアップできれば、一層生産性の高い労働者になることができます。これは働き方改革の目的に合致するものです。

まとめ

副業を単なる収入アップの手段の他に、知識を深め、スキルを磨くチャンスでもあります。そのためには、本業と相性のいい副業というものを探す必要があります。 ただ、働き方改革実行計画で副業・兼業を希望する方は、近年増加している一方で、これを認める企業は少ない。労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業を普及促進と定められているように、全国的な副業解禁の流れが止まることはなさそうです。

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