働き方改革の現状 事例
働き方改革の事例と現状
働き方改革における職場環境の改善はただ単に勤務時間を減らすということではなく、誰もが働きやすく、効率的で生産性の高い職場環境を構築することを指します。事例を幾つか取り上げ、実際に行われた取り組みをご紹介いたします。
目次
働き方改革の効果対策後残業時間変化
マイナビの調査では2018年の残業時間は2014年から5年連続で減少し、調査開始時の2012年から18時間の減少の平均28時間となっておりました。ワークライフバランスの実現は大手企業が率先して行っている他、人材不足が叫ばれる業種に関しても人材確保に向けた健全な労働環境づくりに取り組んでいます。
2019年以降は残業時間規制により大企業をはじめ大幅に減少していることが予想されます。
これまでの長時間労働が当たり前だった職場において社員の働き方を変えるために、企業は長期的な取り組みが求められています。
業務の自動化でルーチンワークを削減
AIを用いた働き方改革の事例
企業規模が大きい上場企業では、人工知能などを用いた自動化などが積極的に行われており、 IBMのワトソンはライトプランであれば無料で利用することが出来、導入のハードルが年々低くなっているのが特徴です。 将来的に些細なタスクはすべて自動化されることが想定されます。
みずほ銀行では人工知能を用いた信頼度スコアの調査などを行なっており、あと1、2年ほどで人工知能はこのような業務で主流となっていると思われます。
スケジューラーでタスク管理を行った事例
スケジューラで社内の様子を可視化し、全員の動向がわかるようにすることで効率化を実現させます。
導入ハードルも比較的低く、業務状況を把握することにより、どのような仕事の振り分けを行うか、業務上のすれ違いがなくなるなどの
メリットがあります。
IT系の企業では大半がスケジューラーを導入しており、効率化と従業員の連携の強化を行なっております。
柔軟な働き方に対応、勤務制度の見直し
フレックスタイム制度の事例
1か月以内の期間で総労働時間を規定し、その枠内で始業・終業時間を自由に決定できる仕組みです。 以前から導入している企業が多かったですが、働き方改革に向け導入企業が増えております。 1日のうちで必ず勤務するコアタイムを指定し、それ以外の時間は始業・就業を自由に規定することができます。 就業規則でフレックスタイム制について規定をし、労使協定を締結しなければいけません(届出は不要)。
フレックスタイム制は従業員個々の自主性にゆだねる部分が大きく、メリットとして
- 勤務時間をずらすことで、通勤ラッシュを避けることができる
- 個人が効率的に時間配分を行なうことで、残業の軽減につながる
- 働き方に自由性があるため、優秀な人材の採用や定着の向上につながる
- 今夏については、節電対策のひとつとして利用できる
- 取引会社や他部門との連携を行なうときに、時間の設定が難しくなるため、現実には導入できる職種が限られやすい
- 自己管理ができない従業員が多い場合は、フレックスタイム制度は時間に対してルーズさが許されるものと勘違いされやすい
フレックスタイム制を導入する際には導入目的を明確にし、以下のようなポイントを抑えつつ、従業員と管理者が正しく制度を理解・運用することが大切です。
働き方改革実現のためには?
しっかりと定着させる
このような働き方改革の成功事例は社員の働き方改革に対する理解と徹底が必要になっていきます。いくらルール作り、制度をしっかりしても定着せず利用されなければ意味がありません。
制度を支える仕組みを充実させて定着させる
働き方改革における施策を浸透させるために、制度そのものと制度を支える仕組みを活用することによって社内に定着させることが出来ます。またツール、システムの導入によって働き方改革を行う場合はツールの使い方、運用の方針を決め、教育する必要もあります。ツールは導入して終わりではなく運用や利用状況を随時確認することによって効率化と定着を図れます。
目標を設定する
具体的な数値を決め、具体的な目標を課する事によって、明確に何をすればいいのかが具体的になり、社員一人ひとりに明確な目標意識が根付くことによってより定着しやすくなります。また目標は最初のうちはハードルを低く設定し徐々に高くすることによって段階的に働き方改革に基づいた働き方にすることによって自然と定着するようになります。
システム化で定着を促す
可視化と共有で効率化 意識作りに効果があり、社内のシステム化も働き方改革を後押しする一因となっております。SFA、CRMなどに代表されるスケジュール、営業管理ツールは働き方改革における効率化、見える化に大きく貢献しております。
スケジュールの共有と可視化によって、急な欠員や引き継ぎ、業務の変更の際にスムーズに対応することができる他、管理者が従業員の動きを把握することが出来、今後の業務の方針を定めやすくなります。
初期投資は大きいですが、長期的な効果とコストパフォーマンスは高いと言えます。
まとめ
働き方改革実現に向けては、この事例を参考に自社に合わせてやってみる他、
「現状の把握と目標設定」→「目標を達成できる手段を選択」→「検証と改善」の3ステップで進めていくことによって、
どのような取り組みが合っているのか、効果的に実現可能か検証して行うことにより、
効果を高めたり会社に合わせた導入を行うことができます。
企業、従業員が積極的に意見し参加することによって、その企業にあった双方にメリットのある働き方改革が実現できます。